本年より診療看護師研修プログラムに参加している吹田です。
今回は診療看護師を目指した自分のことについて書きたいと思います。
看護師として働いてきて十数年・・・
病院の業務は全てにおいて忙しい・・・
私はいつも思っていました。
患者さんの【こうしてほしい】という希望にすぐに対処ができないことが多々ありました。
例えば・・・
・急に熱が出た
・急に痛みがひどくなった
・急に血圧が上がった
・安静度がベッド上に制限されているけれど、どうしてもトイレに行きたい
こんな時、すぐに対応できない自分にジレンマを感じていました。
多忙な医師はベッドサイドに来るまでに時間がかかりますが、そこから始まる診察や検査で、結論が出るまでに時間がかかってしまうことがあるからです。
そんな場面を通じて、自分の判断で少しでも早く診察と検査を行い、その結果を医師と共有することができれば、少しでも時間を短縮できるのではないか・・・と考えました。
そんなとき、診療看護師の道が開かれたのです。
看護師より一歩進んだ知識で自律的に検査を行い、迅速に結果に辿り着くこと、それは患者さんだけでなく、看護師や医師にとってもプラスの存在になれるのではないか、そんな気持ちから診療看護師を目指し、大学院に進学しました。
立ちはだかる壁、待ちに待ったチャンス!
しかし実際には診療看護師は医療現場ではマイナーな存在でした。
大学院を卒業し、病院に戻っても、思ったように自分を活かす場はありませんでした・・。
それから葛藤の5年が過ぎました。
そして昨年、東京ベイ・浦安市川医療センターの心臓血管外科診療看護師プログラムに合格することができたのです。
ここに、待ちに待ったチャンスが訪れました。
そして現在・・。
2017年4月から6月は総合内科で診療部の一員として診療に携わる中で、診断と治療に関する責任について、より深く学ぶことができました。
特に実際に患者さんを受け持ちながらのカンファレンスが大きな実りになりました。
7月から9月は腎臓内分泌糖尿病科で透析を含め専門分野での知識を深めることができました。
10月からは集中治療室!
病院で最も重症の患者さんが集まる場所です。
全身状態が不安定な患者さんを集中的に診察し、患者さんの状態をしっかり把握する能力の向上や、その状態を周囲の医療者にどのように伝えたら良いかについて学んでいる最中です。
そしていよいよ来年からは、心臓血管外科に所属する予定です。
今までの看護一色の世界から看護と診療の両者に関わる世界に踏み出すことは、大変な努力が求められますが、毎日充実しています。
そして今、『すぐに対応すること』のためには、さらに深い知識と経験が必要な事を痛感していますし、すぐに対応できないこともあることを知りました。
目の前で起こっていることだけに目を奪われることなく、その理由にまでさかのぼり、一定の根拠に基づいて診療を行わなければならないからです。
その上で、診療看護師として、いつでも患者さんのそばに、そして医療従事者皆さんのそばにいる存在になりたい!と思っています。
今回の記事担当
吹田耕治/Koji Fukita
【診療看護師を目指したきっかけ】
しっかりとした知識・経験の裏付けをもって患者さんそしてご家族と係る、そして共通の目的意識をもって治療を行うことが出来たら素晴らしいと思い診療看護師を目指しました。