病院から地域へ発信!~慢性呼吸器チームにおけるリハビリテーション室の取り組み~

病院から地域へ発信!~慢性呼吸器チームにおけるリハビリテーション室の取り組み~

リハビリテーション室より、慢性肺疾患ケアチームの取り組みをご紹介していきます。

慢性肺疾患とは慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎などの疾患であり、体を動かすと息切れや全身の疲労感が出現する病気です。一般的には、酸素療法等を通して症状の緩和を図っていきますが、慢性疾患であるために普段の生活の中でも付き合っていかなくてはならない病気でもあります。こうした息切れ等の症状は増悪すれば入院するリスクも高まりますし、なにより日常の活動量や活動範囲を制限するばかりでなく、うつといった精神症状発症にも波及していきます。実際に患者さんのお話を伺うと、「動くと苦しい、身の置き所がない、何をやっても苦しいだけ…」との訴えも聞かれます。慢性肺疾患と付き合うというのは、想像以上につらいものでもあることはお分かりいただけたでしょうか。

そこで当センターでは、医師、看護師、栄養士、薬剤師そして理学療法士でチームをつくり、慢性肺疾患を有する患者さんのサポートをしています。この中で理学療法士の役割は動作時の呼吸状態を評価した上で、日常の中での呼吸方法等の指導を外来にて実施しております。リハビリテーションというと筋力訓練とかそのようなイメージがあると思いますが、(もちろんトレーニングも実施しますが)それだけではありません。

日常の中といっても患者さんによって生活スタイルは変わってきます。もともと仕事をされている方、アウトドアで活躍されている方、普段はお散歩やお買い物のみという方など、人によって生活に合わせた呼吸様式があります。また、生活環境も人によって変わってくると思います。動作時の呼吸状態の評価に合わせて、まずは生活スタイルや環境をお伺いしております。個別性に重点を当てて、どのような時または場面で息切れを生じやすいのか、息切れを軽減できるために生活に工夫できる点はないかを、患者さんと一緒に考えていきます。息切れが強くなってしまった場合での対処法(パニックコントロール)も実際にシミュレーションしながら実施していくこともあります。息切れの程度や重症度に合わせて方法は変わってきますので、そうした所に着目して取り組んでいます。

チームでは地域の訪問ステーションや他病院のスタッフを招待し、勉強会も開催しています。地域連携を含めて慢性呼吸器疾患の患者さんをサポートするべく、さらなる発展を目指して、今後とも取り組んでまいります。

<過去の勉強会テーマ>*当センター慢性呼吸器ケアチーム主催
・地域連携在宅呼吸療法勉強会 ~症例を通じた今後の課題について~
・院内開催 企業展示型吸入指導講習会
・複十字病院合同 慢性肺疾患勉強会 ~実技:呼吸介助等の手技の獲得~
・院内開催 サルコペニア勉強会


慢性肺疾患ケアチーム企画の地域連携勉強会(呼吸介助)の様子

◆ 東京ベイ・浦安市川医療センター  リハビリテーション室

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