現在放射線室には24名のスタッフがおり、そのうち16名がカテ室での業務を行っております。この人数で24時間体制のカテーテル診療を支えています。
放射線技師に必須のカテ室業務とは、①血管撮影装置の操作、②放射線被ばくの管理・被ばく低減方法、③造影剤自動注入器の管理…と専門技術を要する業務が中心です。これらの業務は診療放射線技師として患者さんに安心・安全な医療を提供するうえで重要ですが、私はここにもう一つ『④多職種連携』を追加させていただこうと思います。
我々放射線技師はレントゲン撮影、骨密度検査、CT、MRI…と患者さんと1対1で接する機会が多く、院内にいる他職種のスタッフと関わりを持つことがほとんどありません。しかし、カテーテル治療の現場では医師、看護師、臨床工学技士など様々なスタッフがいます。比較的《個人プレー》の多い私たち放射線技師ですが、カテーテル治療の際は《チームプレー》が必須となります。
放射線室では放射線技師としてカテ室内での業務習得期間を3カ月に設定しています。その期間中に技術の習得に並行して、カテ室に配属された放射線技師は他の職種(医師→病態や治療方法について、臨床工学技士→心電図の読み方、看護師→検査・治療の流れなど)から自分たちの専門外の知識を教えてもらっています。
一人の患者さんに最善の治療を行うためには、異なる職種同士が十分にお互いを理解し合い連携を深めていくことが重要です。私たち東京ベイのカテーテル治療チームでも、仕事の話だけでなく日常の話題など色んな話を通じて信頼関係を築くことで、検査・治療について率直に自分の意見を言えるようになります。放射線技師がカテーテル検査中に、患者さんの容体、画像、心電図、血圧などの変化に対していち早く自分の意見を言えることは、チーム全体で安全な医療を行う上で重要です。私は『④多職種連携』が放射線技師のカテ室業務において最重要項目であると考えています。
私が現場スタッフとして経験した緊急カテーテル治療では、心臓血管外科医、循環器内科医、血管内治療医、看護師、臨床工学技士、放射線技師とあらゆる職種が一丸となって一人の患者さんの救命にあたり、無事治療を成功させたケースがたくさんあります。診療科、職種の枠を超えて、患者さんのために最善の医療を目指す東京ベイのカテ室スタッフのチームワークを私は心から誇らしく思います。私が放射線技師としてカテ室業務に携わってから十数年経ちますが、東京ベイのカテ室以上にチーム医療を体現できる施設はそうそうありません。これからも東京ベイカテ室チームの一員として、私自身そして放射線技師一同、一人一人の患者さんに最善の医療を提供するチーム作りを続けていきます。
次回の更新では、当センターのカテ室、カテーテル治療を行う診療科をご紹介します。