脳卒中に待ったなし!〜治療成功につながるMRI画像を一秒でも早く届けたい〜

当センターは、救急患者を積極的に受け入れ、地域医療へ貢献できるような治療や検査を行なっていることが、大きな特徴です。
私たち放射線室も、より多くの患者さんのためになれるような検査を提供できるよう、日々努力しています。

例えば、
・脳卒中疑いに対する頭部MRI・MRA(MRアンギオグラフィー)
・脊髄損傷疑いに対する椎体部MRI
・高エネルギー外傷に対するトラウマパンスキャン(全身CTスキャン)
・くも膜下腔出血などに対しての頭部CTA(CTアンギオグラフィー)
・末梢動脈疾患に対する下肢CTA

このほかにも優秀な装置があればできるといった検査ではなく、放射線技師の知識とスキル、そして訓練が必要となる検査を夜勤帯でも行なっています。
今回は、脳卒中疑いに対するMRIについてスポットをあてて紹介をしたいと思います。

脳卒中とは?

脳の血管が詰まって脳梗塞となることや、血管が破けて脳内出血やくも膜下出血を起こし、脳が障害されている状態の総称です。
特に急性期の脳梗塞を発見するのには、MRI検査が有用となります。
急性期の脳梗塞は時間が命です!
発症から数時間以内でないと使えない薬や処置があるため、検査はスピーディーかつ安全に行う必要があります。

東京ベイでの脳卒中MRI検査となる患者さんの適応基準と検査の流れ

タイムロスの少ない検査室の配置

1階の放射線室フロアマップです。赤丸で囲っているのが救急科と、主に夜勤で使用する検査室です。

このように、患者さんに迅速に検査を提供すべく、タイムロスのない検査室の配置となっています。
MRI検査は磁力を使うため、全ての患者さんが受けられるわけではありません。
また、閉塞感の強い狭い空間に入るため、閉所恐怖症の方も受けられません。

それでは実際の検査依頼を受けてから検査終了までの様子です。

①装置の立ち上げ
救急科より脳卒中MRIの依頼の連絡が来て、装置を立ち上げます。

立ち上げには5~10分程度、時間を要するため、MRI検査の適応が確定する前に、救急科より『MRI検査となる可能性が高い患者さんがいるので、装置立ち上げておいてください』と依頼がかかることも多々あります。ここでもタイムロスのないようにしています。

②患者搬入
救急科より患者さんがストレッチャーにて運ばれて来ます。
救急科のストレッチャーからMRI対応のストレッチャーに乗り換えます。
素早く移動させることも大事ですが、MRI用のストレッチャーは狭く、簡素な作りとなっているため、注意深く安全に配慮します。

③患者さん搬入前
同意書を確認し、MRI非対応の金属が体内にないかなど、患者さんが安全に検査を受けられることを最終確認します。
ここでも確実に安全を確認してからの入室を心がけます。

④検査室内での準備
MRI用ストレッチャーから検査台へと移動したら、患者さんに緊急時のブザーを渡し、ポジショニングをしてコイルをセットします。意識のない患者さんは指にクリップをつけサチュレーションモニターにて容体の変化を観察します。

検査時、技師も医師も看護師も検査室外での対応となります。また検査中は大きな音がなっているため、患者さんが声で不調などを訴えてもらっても私たちには伝わらないためブザーを握ってもらいます。

⑤検査開始
撮像する位置の計画を立て、検査を始めていきます。

検査時間は約20分。検査中はじーっと動かずにいてもらいます。ここだけは患者さんに頑張っていただくポイントです。MRI検査はとても動きに弱いです。
脳卒中疑いの場合は東京ベイでは約5種類撮像しています。
その画像から脳卒中の評価を救急科や脳外科の医師が診察をします。

それぞれの画像から分かることは違います。
脳梗塞だと、DWI(拡散強調画像)やFLAIR(水抑制画像)で脳梗塞の有無を評価し、MRAで血管の評価をします。

⑥検査終了
全ての画像がちゃんと撮れていることを確認したら、患者さんを降ろし、救急科のストレッチャーに再度乗り換えてもらい終了です。
検査依頼の電話から検査室退室まで約30分!!
このように検査準備、検査内容など全ての行程を安全かつ迅速に行えるようにし、より早い診断、治療や処置へと、救急科にバトンを渡していきます。

脳卒中治療はスピードが命!!

地域の皆様の健やかな生活にお役立ちするべく、私たち放射線室は、早く、そして必要な画像を必要な画質で提供できるよう、工夫や訓練を行なっています。
今後とも東京ベイ放射線室をよろしくお願いします。

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