退院後も続く患者さん中心のチーム医療~お薬の管理に薬剤師は手を添えるだけ~

薬剤室 霜田 晃

こんにちは。病棟薬剤師の霜田です。
今回は患者さんが退院後もお薬を正しく使用していただけるように工夫していることをお伝えしようと思います。

○退院後も続く薬物治療

みなさんは退院後のお薬の管理について考えたことはありますか?
入院中は医師や看護師、薬剤師などがお薬の管理を行っています。しかし、退院後は患者さんがお薬の管理をしなければなりません。特に循環器疾患や呼吸器疾患、糖尿病などは薬剤数が多くなりやすく、薬の飲み忘れが病気の悪化に繋がります。薬物治療は自宅でも行う医療であり、チーム医療の1人である患者さん、そしてご家族の協力なくして続けることはできません。そのため、退院後も正しい薬物治療が継続できるように指導を行っています。

○薬物治療こそチーム医療のチカラが試される時!

患者さんが退院後も薬物治療を続けるためには患者さんだけではなく、家族や医療者も含めてチーム一丸となって取り組む必要があります。
まず、入院時に薬剤師は患者さんが自宅でどのようにお薬を管理し、正しくお薬を使用できていたか確認しています。この情報を元に退院後のお薬の管理方法を相談します。

お薬の数や服用回数が多いと飲み忘れや飲み間違いが起きやすいため、薬剤ケースや一包化の提案、医師とお薬の調整などを行います。また、お薬には飲み薬だけではなく注射器や吸入器などもあり、間違った使い方をすると感染症や副作用(低血糖など)のリスクが上昇します。そのため、正しく使う必要があり入院中に使い方を指導し、看護師さんに確認してもらいながら練習を繰り返して患者さんが自分で使えるようにしています。

ご自身で出来ない場合には、家族や介護者にも指導し薬物治療が継続できるようにしています。また、認知機能が低下している患者さんや四肢の麻痺などでお薬の管理に補助が必要な方もいます。その場合にも、できるだけお薬の管理をしやすくしたり、サポートしてくれる家族や介護者にも指導したりしています。

ほかにも、患者さん自身がお薬を管理できる場合には退院後のお薬の管理がスムーズにできるように、入院中に1日分のお薬を薬剤ケースに入れてお薬の管理の練習をしています。また、退院後は新しくお薬をお渡しするのか、自宅にあるお薬を利用できるのか、またかかりつけの病院が複数ある場合には、継続のお薬はどこの病院が処方するのかなども確認する必要があります。それにより、お薬が無駄にならないように退院時にお渡しするお薬の量が変わってきます。

この様に、適正な薬物治療を継続するためには様々な問題点があり、患者さんの環境に合わせて家族や医療者も含めた1つのチームとして取り組む必要があります。

○最後に〜患者さん、ご家族こそ医療チームの中心メンバー〜

どんなにいい薬でも正しく服用しなければ適切な効果を得られません。そのため、患者さんだけではなく家族や医療者を含めた1つのチームとして協力する必要があります。退院後も患者さんが適切な薬物治療を継続できるように薬剤師は様々なお手伝いをしています。なにかあれば、ぜひご相談ください。

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