薬剤室 藤﨑 来夢
こんにちは。薬剤室の藤﨑と申します。今まで薬剤師が携わっている分野や薬剤について知ってもらうためにDI(Drug Information)や病棟の薬剤師のかかわりなどを紹介してきました。今回はその中で重要だけどあまり知られていない薬の管理について紹介していこうと思います。
最近、コロナウイルスが流行した初めの頃によく「TVでマスクが買い占められた」とか、「トイレットペーパーがなくなった」、という情報を耳にしなかったでしょうか。そのようなことが、薬剤師界隈でもまさに今起きています。
コロナウイルス感染が短期間に急増してしまったため、患者さんの治療で使われる薬剤が今までよりも沢山必要になってしまいました。その結果薬剤を作っているメーカーの供給が追い付かなくなりました。そこで、メーカーや卸業者に在庫の確認をしたり、他のメーカーの同じ薬を購入できるか確認したりして、治療に必要な薬剤を確保しています。薬剤師がしていることがよくわからないなと思っている方も身近に感じる内容ではないでしょうか。

コロナ対応に関わらず、薬剤師は薬剤の在庫を日々注意深く管理しています。医師が患者さんに適切な治療を行うためには薬が必要です。私たちは、薬剤の確保や代替できる薬剤を検討し在庫を管理するように努めております。薬剤の供給が不安定になってしまった場合はどのくらいのペースで薬が入ってくるか、院内のどこでよく使われているかを確認します。
そして、できるだけ使わなくてはいけない部署、患者さんに分配できるように薬剤を配置できるように調整を行っていくようにしています。もっと多く在庫として院内に備蓄したらいいのでは?という疑問も浮かぶことがあるかもしれません。しかし、たくさん在庫を抱えてしまって、もし使用する機会が少なければ廃棄することになります。そのため月にどのくらい使用しているかを計算して在庫を確保するようにしています。出荷調整や出荷停止にも対応しできる限り患者さんの治療に十分な薬剤を安定供給できるように調整しています。
最後にはなりますが薬剤師の法律、薬剤師法では「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するもの」と定められています。患者さんの健康を維持、回復するため、治療の安全性を向上するよう努めています。当センター入院中に、もし薬剤のことで気になること不安なことがありましたら、病棟担当の薬剤師がお部屋に伺ったときにお気軽に聞いていただければと思います。