薬のお悩み、お困りはお任せください!〜歩くデータベース「DI薬剤師」が薬の疑問にお答えします〜

こんにちは!薬剤師の中村です。
薬剤師というと、最近は某有名俳優が出演している薬剤師ドラマが放送されたおかげで、「薬剤師ってこんなことしてるんだー」と思っていただく機会が増えたのかなと思っています。

こちらのWEB通信でも薬剤師の仕事についていくつか紹介しており、単に処方箋通りにお薬を用意するだけでなく、いろいろなところへ飛び回って仕事をしている姿を知っていただけたのではと思います。薬剤師ってどんなところでどんな仕事してるの?と思った方は是非過去のWEB通信をご覧ください。

DI薬剤師ってそもそもどんなお仕事?

DIはDrug(薬)Information(情報)の略で、DI薬剤師はお薬にかかわるあらゆる情報を集め、整理し発信している薬剤師のことを言います。お薬の情報は、例えば新薬が出たり、昔からある薬が全く別の病気に使われるようになったり、今まで知られていなかった副作用が発見されたりと、毎日目まぐるしくアップデートされていきます。

私たちDI薬剤師は常に最新の医療を提供できるように、毎日更新されていくお薬の情報を追い続けて周りに発信していくという、一種ロマンを感じることのできる仕事をしております。
今回はDI薬剤師の仕事を、シチュエーションごとに掘り下げてご紹介していきます。

~MR(製薬メーカーの営業者)さんとの連携~
お薬は製薬企業が作った製品ですので、お薬それぞれに専門の担当者(MR)がついて説明に来られます。私たちDI薬剤師は一番最初にMRさんと話し合いをし、紹介してもらった薬のメリットもデメリットもしっかり把握し、病院で必要な薬か、どうすれば安全に使えるかを検討していきます。

またすでに使い始めている薬に関しても、新たな使い道が考案されたり新たな副作用が発見されたりしますので、逐一情報をもらうと共に、こちらも新たな副作用が見つかったら製薬企業に情報提供するなど、お互いにお薬の情報のやり取りをすることでお薬の情報をアップデートしていきます。

~病院スタッフとの連携~
・問い合わせ編
病院内では様々な職種のスタッフがお薬に関わります。そのためDI薬剤師は幅広い方々の薬の疑問に答えるべく、お薬よろず相談窓口を担当しています。特に医師や看護師からの問い合わせが多いです。その中でも代表的なものを紹介します。

① この患者さんの薬の飲み合わせは大丈夫ですか?
② この患者さんこんな病気持ってるんだけどこの薬使えるかな?
③ 患者さんの負担を減らすためにこの二つの注射の薬を混ぜてもよいですか?
④ この患者さんのこの薬の量は多すぎるかな?どのくらいまで減らしたらいいんだろう?
⑤ こんな副作用出たんだけど、これってどれか薬のせいだったりする?
⑥ この薬は妊娠中に使っていいのかな?
などその他幅広いお問い合わせがあります。

特に②、④、⑤などは患者さんの病気の状態によっても答えが変わってくる内容ですので、医師と話し合うために薬剤師も日々病気の勉強をしています。
またその他にもお薬の辞典や、データをまとめた書籍など確認したり、内容が不十分だった場合には海外の参考書やデータベース、論文などを確認して答えを探します。

「薬剤師が海外の参考書や論文まで調べて情報照会しているの?」と思われた方もいらっしゃると思います。当院の薬剤室は海外の参考書や論文検索ツールを揃えておりますので、DI薬剤師として全力で治療を支援するために日々検索しております。

余談ですが、「海外の錠剤を持ってきてるんだけど成分が分からないから調べてくれ」という内容の問い合わせを受けたことがあり、英語ではない外国語だったため、とても苦労した覚えがあります。浦安という地域ならではの内容ですね。

・お知らせ編
DI担当薬剤師はお薬情報の窓口ですので、お薬に関わる色々な情報を収集したのちに病院全体に発信する役割があります。ところがお薬の情報といっても内容は様々で、「新薬が発売された」「既存のお薬に新しい使い方が増えた」「品質の悪いお薬が判明してリコール(回収)対象になった」「製薬会社の製造量以上の需要となったため出荷が遅れてしまう/止まってしまう」など、分類できないほど沢山あります。

こうした情報をすべて全スタッフに送ってしまいますと、不必要な情報が多すぎて肝心な情報が行き届かなくなってしまいますよね。そのために、情報ごとに発信する場所を吟味して、必要な人に確実に届くように画策しています。時には医師や看護師などに直接「お知らせ届いていますか?」と聞いたりして、無事に情報が回っているか確認したりします。
如何にして薬の正しい情報を「(患者さんに適切な医療を提供するために)知っておくべき医療職」に届けるか、DI薬剤師の腕の見せ所です。

~病院運営との関わり~
DI薬剤師は、病院でどのお薬を使っていくか決める会議に関わっています。
この会議では毎月、医師から使いたいと申請があった薬について病院で使って問題ないかを審議しており、私たちDI薬剤師は薬剤師の代表として申請のあったお薬を徹底的に調べ、お薬ごとに資料を作成しております。「新薬だから」という理由だけではお薬の種類が多くなった結果、使われずに薬が期限切れを起こしてしまい廃棄となったり、副作用に気づけず取り返しのつかないことになってしまう危険性があります。

そうならないためにも、「どんな患者さんにどういう使い方をすれば既存の治療よりも、安全かつ効果的に薬剤治療ができるか」を事前にしっかり調べて医師と話し合ったり、慎重に扱う必要のある薬によってはその薬の専門家以外が処方できないようにするなど病院の中での取り決めを考えたりして会議に臨んでいます。

終わりに

DI薬剤師は病棟の薬剤師と違って患者さんと直接やり取りをするわけではありませんが、「お薬情報の番人」あるいは「お薬治療の指令室」のごとく皆様には見えないところで重要な役割を担っております。
薬剤師の中でも特にマイナーな領域ですが、お薬治療の質を左右するとても重要な仕事ですので、私自身とてもやりがいを感じております。
このWEB通信を通して、普段目に届かない私たちの仕事ぶりを少しでも皆様に知っていただけましたら幸いです。
それでは、またの機会にお会いしましょう。

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