こんにちは、薬剤師レジデントプログラムWGです。
薬剤師の臨床スキル修得のため、また私たち自身の教育意識の醸成のため、東京ベイでは今年度より新たな取り組みを始めました。
東京ベイ・浦安市川医療センター 薬剤師レジデントプログラム
今回は、薬剤師レジデントによる東京ベイでのICU研修をご報告します。
こんにちは。
私はレジデント2年目となり、病棟研修ではより高度な薬剤的介入に携わる機会が増えてきました。そのうちICU(集中治療室)での研修内容をご紹介します。

※写真左から2番目の女性が薬剤師です。
まず当センターICUの特徴のひとつは、担当薬剤師が常駐していることです。
ICUでは重篤な状態の患者さんをはじめ、手術後の手厚いケアが必要な患者さんの治療を行っています。そのため、薬剤師業務からみても一般病棟とは異なる点がたくさんあります。
ICUでは毎日、集中治療科の医師が朝と夕方に回診を行い、ベッドサイドで常に患者さんの容態を観察し方針を考えます。その回診に薬剤師も参加し、薬剤の調整に必要な情報提供を行っています。研修中の私は回診時に生まれた疑問を記録、終了後に情報検索や評価を行い、指導薬剤師にフィードバックをもらいながら理解を深めています。
ICUにいる患者さんの多くが心電図モニターや挿管チューブ、人工呼吸器など、循環に関わる機器が複雑に繋がれています。これまでの研修では見たことないもの、仕組みを知らなかったものに出会うことが多く、とても新鮮です。
また、ICUで週に2回実施される栄養カンファレンスにも参加しています。栄養士、医師、看護師、薬剤師が集まり、ICUの患者さん全員に対し栄養面の治療方針を立てていきます。栄養の投与経路の検討、カロリー計算などのイメージはありましたが、それらを考えるにあたり下痢や嘔吐の有無、嚥下機能といった患者さんの状態も重要な情報であると学んでいます。

一例として、ストマを造設した患者さんの中心静脈栄養を検討するとき、ストマの排液量や胃内残量などを考慮して電解質の補正量を決めていました。ストマの排液量に焦点をあてた介入は初めての経験で、自分が気づかない視点を知ることが出来とても勉強になりました。
栄養カンファレンスでの薬剤師の役割は、中心静脈栄養の組成や輸液、使用薬剤の適正使用について介入することです。ICUの患者さんは口からの食事摂取ができない場合が多く、同時に輸液の使用も頻繁にみられます。そのなかで経静脈栄養が適切に、安全に行われるためには、薬剤師がチームの一員として機能することが重要だと実感しています。
このようにICU領域では、循環動態をはじめ鎮痛・鎮静、せん妄、感染、栄養といった広い分野に触れて学んでいます。一分一秒で容態の変わる患者さんの経過を追っていく大変さがある反面、日々新しい学びがあり貴重な経験を積むことができています。ご紹介したようなICUでの研修も、当院のレジデントプログラムの醍醐味の1つだと感じています。
今回は東京ベイでの病棟研修をご紹介しました。
薬剤師レジデントプログラム ワーキンググループ