こんにちは、薬剤師レジデントプログラムWGです。
薬剤師の臨床スキル修得のため、また私たち自身の教育意識の醸成のため、東京ベイでは今年度より新たな取り組みを始めました。
東京ベイ・浦安市川医療センター 薬剤師レジデントプログラム | 東京ベイ・浦安市川医療センター (tokyobay-mc.jp)

今年度入職したレジデント1期生たちは、これまでの知識と医療現場での経験をつなぎ合わせながら、着々とセントラル研修(内服調剤、注射業務など)をこなしています。3か月のセントラル研修を経て、7月より病棟業務を中心とした臨床研修が始まりました。
そこで、臨床研修を始めて1か月となったレジデントの研修状況をご報告します。
臨床研修では、およそ1か月ごとに担当病棟をローテーションし、指導薬剤師とともに病棟業務を行います。そこではSBOs(行動目標)と呼ばれる、領域ごとに作成された具体的な達成項目に沿って研修を行います。SBOsは項目ごとに必要な参考資料や文献照会方法などが提示されているため、レジデント自身の力で調べることができます。
以下、レジデントより病棟業務の1日を紹介させていただきます。

現在、一般病棟にて研修を行っています。病棟業務にあたり適切な感染対策方法など、医療者に必要な知識も身に着けました。
出勤後、その日に退院する患者さんの情報収集を行い、以下の事項の確認を行います。患者さんに必要な薬が処方されているか。処方されている薬の量は適正か。次回外来日まで薬は足りるか。退院後に服用する他病院からの薬との飲み合わせは問題ないか。確認したい事項があれば医師へ問い合わせを行います。
その後、指導薬剤師と情報共有し、患者さんのもとへ伺い服薬指導を行います。退院後に患者さんが処方通りに服薬し続けることができるように、丁寧に説明します。ご家族の支援が必要な場合は、併せて説明することもあります。
患者さんへの服薬指導は、はじめのうちは指導薬剤師が隣でサポートしてくださいましたが、現在は一人で行うことも増えてきました。緊張することもありますが、困ったときには指導薬剤師の助け舟により安心して指導を行うことができています。

日中は入院中の患者さんのもとへ服薬指導に伺います。患者さんは疾患の治療だけでなく、症状を緩和させるためにも薬を使用することがあります。複数の薬を使用することが多いため、患者さんのもとへ伺う際は、使用している全ての薬の相互作用を確認しています。患者さんの様子を直接拝見し、薬の副作用の有無と有効性を評価し、適切な薬物療法が行われるよう努めています。指導薬剤師に教わりながら、質の高い薬物療法を提供できるよう身につけていきたいと思います。
私は元々、患者さんと直接関わりたいと思っていました。病棟業務を始めた前後でのギャップはなく、患者さんと直接関わることにやりがいを感じています。薬剤師としての経験は浅いですが、スムーズに病棟業務を行うことができています。

レジデントプログラムの中にはSBOsがあります。病棟業務でふれた症例や自己学習を通してSBOsの達成に励んでいます。自己学習の中では医学文献の検索法と読み方も身についてくると実感しています。Up to dateやPubMedなどを利用して情報を集めることが徐々にできるようになってきました。
患者さんの退院を見届けたあとは、新たに入院される患者さんの持参薬鑑別を行います。持参された薬が入院中も服用を継続する必要があるのか、当センターでの代替薬は何かなど、医師が処方するうえで必要な情報を提供します。
このほか、指導薬剤師とともにカンファレンスや回診に参加することもあります。これらは多職種の働き方や視点を知る機会にもなっています。
病棟業務が始まり一か月余りですが、服薬指導の回数も増えて少しずつ業務の流れをつかめるようになってきました。薬学的知識や専門用語などわからないことも多くありますが、先輩方は丁寧に教えてくださり日々学びと楽しさのなかで業務に勤しんでいます。
セントラル研修を行う日もありますが、そちらもまだまだ修得しきれていないスキルが多くあります。セントラル研修、臨床研修ともに一人前を目指して励みたいと思います。
~編集後記~
レジデントたちは日々、研修病棟ごとの特性に応じた医療知識を身に着けるべく奮闘しています。徐々に臨床的な思考も増え、これからも成長がとても楽しみです。東京ベイは全体として教育文化が根付いており、薬剤師レジデントの臨床研修開始もスムーズに始められた印象です。入院中の患者さんには、レジデントの教育についてご協力いただきありがとうございます。臨床薬剤師の育成を通じ、当センターで提供する医療の質をさらに上げていくことで患者さんへのお返しとさせていただきたいと考えております。
最後までお読みいただきありがとうございました。次号も暖かく見守っていただけると幸いです。
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