子どもの療養生活と「遊び」

子どもの療養生活と「遊び」

今回は当センターの小児病棟の紹介をさせていただきます。

私たちの病棟は0歳から15歳までのすべての入院患者さんを受け入れています。ご家族が付き添えない場合は、一時預かりも行っています。
お子さんが入院するということは、お子さん自身はもちろんご家族にとっても不安が強いものです。私たちは、入院をし、点滴、手術といった経験をされる患者さんのご家族も支援し励まし、早期回復に向けて日々看護を行っています。

●看護師・保育士とで協力してお子さんを援助します

子どもたちは成長発達過程にあります。乳幼児期には自分の気持ちを言葉で表現できないかわりに、不機嫌や啼泣、拒否、退行現象を通して表現します。また、子どもたちは「遊び」を通して気持ちを表現したり、苦痛を軽減すると言われています。したがって、療養生活と「遊び」は切り離すことができません。私たちも日々の看護を通して、入院生活の中で「遊び」がいかに大切であるかを実感しています。
私たちは、療養生活が痛い・つらいものだけではなく、治療を行いながら生活の中に「遊び」をうまく取り入れることで、少しでもお子さんが笑顔に安楽に過ごせるように関わっています。また入院中のお子さんの成長を妨げないよう、看護師・保育士と協働して遊びやおもちゃなどを工夫しながら、成長・発達できるような援助を大切にしています。

●メディアに頼らず年齢や病状に応じた「遊び」を提供しています

小児病棟ではテレビやビデオなどのメディアは使用しません。そのかわり、さまざまなおもちゃを用意したプレイルームを病棟内に完備し、入院しているお子さんに開放しています。入院そのものだったり、点滴治療で片手での食事になったり、病状によっては病室の外に出られなかったり、入院中のお子さんは相当なストレスを感じることでしょう。
私たちはお子さんの年齢や好みに応じて、おもちゃや遊びを選択して提供しています。特に小児病棟専属の保育士による本の読み聞かせや音楽遊びなどは、子どもたちの笑顔が絶えません。こどもの日やクリスマスといった季節ごとの行事も定期的に行なっており、医師・看護師・保育士などスタッフ全員でもりあげています。

●お子さんだけでなく、ご家族も援助します

私たちはお子さんへの援助を通してご家族に安心していただくと共に、ご家族と私たちのコミュニケーションも大切にしてご家族の心のケアにも気を配っています。子どもたちの笑顔が、看護師・保育士の日々の活力です。今後も1人ひとりの成長を妨げることなく、医師と協力して地域に貢献できるよう努めてまいります。

文責:4階南小児病棟師長

◆ 東京ベイ・浦安市川医療センター 小児科

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