こどもの坐薬Q&A~薬剤師が上手な使い方をお伝えします~

こんにちは。小児科病棟の薬剤師です。

薬の形は、シロップ、錠剤、粉薬などの飲み薬の他に、軟膏、クリーム、目薬、湿布など、様々なものがあります。今回は、小児科でよく処方される坐薬(肛門に入れるタイプ)について、使い方や疑問点をご紹介します。

<坐薬ってどんな薬?>

錠剤や粉、シロップなどの飲み薬は口から入れて、食道、胃を経由して、小腸まで届いて吸収されます。
対して、坐薬は肛門から入れて、すぐ近くにある直腸粘膜から吸収される、または直腸のみに効果を現すタイプの薬です。
このため、坐薬は飲み薬に比べると吸収されるまでの時間が短く、効果が早く出てきます。飲み薬を嫌がったり、うまく飲めなかったりする場合には、坐薬はとても使いやすい薬と言えます。

<坐薬の使い方>

まずは使う前のポイントがいくつかあります。

  • 排便が近ければ、先にすませましょう。
  • 使う前と使った後には、手を洗いましょう。
  • 坐薬を入れてから20分くらいは、動かないようにしましょう。
  • 冷蔵庫保管の場合は、使う前に冷蔵庫から出して室温に戻しておきましょう。
  • 冷たい坐薬をすぐに使いたい場合は、開封前に、手で包んで温めましょう。

それでは、基本的な坐薬の使い方を説明します。

①子どもを仰向けにし、両足をしっかり持ちあげます。大きなお子さんの場合は、横向きになり、両ひざを曲げます。

②坐薬のとがった方から肛門へ入れます。このとき入れる深さの目安は、指の第一関節が入る程度です。

③入れたら30秒ほどティッシュで肛門を押さえます。

④上げていた足をもとの状態に戻すと、坐薬は自然と奥まで入ります。

⑤坐薬を入れてから20分くらいは動かないようにしましょう。

<坐薬のQ&A>

保護者の方からよく聞かれる質問と、上手に使うためのポイントをご紹介します。

Q.坐薬はどうやって切ればいいですか?

A.包装を外さずに、そのまま清潔なはさみやカッターで切ってください。冷たいと切るときに坐薬が割れることがあるので、常温に戻すか、手で温めてからの方がよいでしょう。
下の図に坐剤の切り方の例を示しますが、いずれも定規などで測る必要はありません。薬の投与量には幅がある(体重1kgあたり10~15mgなど)ので、目分量で構わないのです。
切ったあとは、図に示すようにもともと先がとがっている上部の方を使いましょう。下部の方は断面が整っていないので挿入に適していないことがあり、また衛生面からも保管せずに廃棄したほうがよいでしょう。

Q.入れた坐薬が出てきてしまいました。どうしたらいいですか?

A.出てきた坐薬が固形の形を保っている場合は、出てきた坐薬を再び入れてください。
崩れた状態や溶けている状態だと、薬がすでに吸収されている可能性が高いので、入れなおさずにそのまま様子を見てください。指で持てる硬さかどうかを、目安にするといいでしょう。
もし、入れた後に排便があった時は、便の中に坐薬が残っているかを見てください。形がなかったり、液状になっていたりする場合は、薬がすでに吸収されている可能性が高いです。

Q.保存方法は?使用期限はありますか?

A.体温で溶けるので、基本的には冷蔵庫保存です。
室温保存可能な坐剤もありますが、夏期などは高温をさけるように保存してください。
また、坐薬にも使用期限があります。期限に関して特別に説明がない場合、坐薬の使用期限の目安は約1年間とお考えください。処方されて1年を経過した薬剤は、廃棄をお願いいたします。

Q.入りづらかったらどうしたらいいですか?

A.坐薬の先端を水でぬらす、またはベビーオイルをつけると入れやすくなります。

Q.坐薬が2種類処方されました。どちらを先に使えばいいですか?

A.まず、医師から指示を受けている場合は、医師の指示に従ってください。
医師からの指示がとくにない場合は、原則、緊急を要するものを先に使いましょう。
たとえば、よく見られる処方に抗けいれん薬(ダイアップ坐剤®)と解熱鎮痛薬(カロナール坐剤®)の併用があります。この場合は、まず抗けいれん薬を使い、30分以上あけて、解熱鎮痛薬を使いましょう。

Q.兄弟姉妹など別の子に同じ症状が出たときは、使ってもいいですか?

A.医師に処方された薬剤は、処方されたお子さん以外の別の子どもには使わないでください。
医師の処方する薬剤は、その時の患者さんの状態を診て処方されています。また、多くの薬剤は子どもの体重にあわせて量を調節する必要があります。とくに子どもは成長とともに著しく体重が変化していくので、個人ごとに薬剤の量が異なります。別の子どもには、決して使わないでください。
市販の坐剤は、対象となる子どもの年齢に注意して、用法用量を守って使いましょう。

<最後に>

坐薬は大人になると使う機会が少ないので、使い方がわからずに戸惑うことがあるかもしれません。
しかし坐薬は小さいお子さんにも確実に使用することができ、効き目が早い優れものです。
もし使い方に不安を感じたり、わからないことがあれば、お気軽に小児科医や薬剤師へお尋ねください。

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