今回は当センターの小児科病棟担当医の1日をご紹介したいと思います。
1日の始まりはカンファランスから
小児科の1日は、朝のカンファランスから始まります。
カンファランスには小児科医全員が出席して、まず前夜の当直医から夜間に起こった出来事(夜間新たに入院した患者さんの病状や、入院中の患者さんに変化があればそれに対する対応など)が報告されます。
次に、入院中の患者さん一人ひとりについて担当医が病状と診療方針を報告し、出席者全員で協議します。
この協議はとても大切で、担当医の方針が患者さんにとって適しているか、不足はないか、もっと良い方法はないかなどが話し合われます。
入院中の個々の患者さんに対しては、主担当医を中心とした3~4名のチームで担当しますが、患者さんから見えないところでは小児科医全員で診療方針の確認を行い、小児科全体としてチーム医療を行っています。
午前中~病棟の患者さんや赤ちゃんの診察~
カンファランスが終わると、担当医チームごとに分かれて入院患者さんの回診をします。
同じころ外来では、外来担当医により午前中の診療が開始されます。
回診が終わると、必要な患者さんには採血や処置がはじまります。
年長の患者さんの採血などは朝食前後から看護師が行う場合もありますが、年少の患者さんの場合は担当医が行っています。
その後は、産婦人科病棟で生まれたばかりの赤ちゃんの診察や検査を行ったり、帝王切開や難しい分娩があれば一緒に立ち会うこともあります。
また午前中の外来で入院が必要な患者さんがいる場合には、外来担当医からその患者さんを引き継ぎ、必要な処置や検査を行います。
昼~診療方針を見直します~
昼が近くなって入院患者さんの検査結果がそろいはじめると、いまの治療を続けるべきか、ほかに検査を追加すべきか、退院に向けた準備をはじめてよいか、といった診療方針の見直しを行います。
判断が難しい場合には、担当医チームの壁を超えて空き時間に議論することもあります。
方針が決まれば、患者さん、ご家族へ説明に伺います。
そして昼休み。。。十分な昼食時間がとれない日もありますが、なるべく交代でとれるように工夫しています。
昼食後は勉強会やミーティングを定期的に行い、最新の医療知識などを全員で共有します。
また産婦人科医師とも、これから生まれてくる赤ちゃんとそのお母さんの情報を定期的に共有し、安全なお産と十分な新生児ケアができるように努めています。
午後~予防接種や乳児健診、専門外来、夕方にもう一度病棟回診〜
その後、午後の外来では予防接種や乳児健診、専門外来などが行われますが、病棟担当医も予防接種や乳児健診を交代で担当します。
そのほか、近隣の診療所から急を要する病気で紹介されてくる患者さんや、救急車で運ばれてくる患者さんの対応も、交代で担当します。
入院中の患者さんの検査を午後に行う場合もあります。
そして夕方になると、再び担当医チームごとに入院中の患者さんの回診をします。
その後、小児科医全員で夕方のカンファランスを行い、担当医が一日の患者さんの状態や検査結果などを報告し、診療方針をあらためて協議します。
そして当直医師への申し送りを行い、1日が終わります。
小児科医の生涯学習〜全ての子供達にスクスクと育ってもらうために〜
しかし、これですぐに帰れる日ばかりではありません。
小児科に限らず医学は日進月歩、医学生のときに学び経験した知識や技術は常に変化し続け、古くなってゆくものも少なくありません。
患者さんに安心して診療を受けていただくためには、最新の教科書やガイドライン、医学論文を読んで学習しつづける必要があります。
また自らの診療を常に見直して、より良い方法について考え、時にはほかの病院の先生方との勉強会や学会、論文発表などを通して切磋琢磨してゆく姿勢も大切です。
私たちは、これまでもこれからも地域のみなさんに安心して受診いただけるよう、日々是精進を合言葉に研鑽を重ねてゆきたいと考えています。