こんにちは。産婦人科医師の佐野です。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、当センター産婦人科では2018年11月から毎週木曜日の午前中に“助産師外来”を開いています。
- 助産師外来ってなに?
- どんなことするの?
- 普通の妊婦健診とはどう違うの?
などなど。皆さんの疑問にお答えすべく、今回は“助産師外来”についてお話をさせていただきます。

助産師外来とは
助産師外来とは、助産師が行う完全予約制の妊婦健診・保健指導のことです。妊娠・出産という人生の一大イベントを妊婦さんやそのご家族に主役として臨んでいただけるように、私たちは通常の医師による妊婦健診に加えて、助産師も一緒にお産をプロデュースしていきます。これは、妊産婦さんの妊娠・出産・育児に対する多様なニーズに応え、地域における安全・安心・快適なお産の場を提供するために、医師のみならず助産師の積極的な介入を推進する政策のひとつでもあります。(厚生労働省ホームページ参照)
厚生労働省 院内助産・助産師外来について
当センターの助産師外来はベテラン助産師が交代制で担当しており、まずは腹部計測、胎児心拍の確認、腹部超音波検査、内診(毎回ではありません)などを行っていきます。そして妊婦さんへの保健指導、妊娠による身体の変化や体重コントロールなどについてのアドバイス、妊娠中の生活や分娩・産褥への心構えなど、ママ・パパの疑問にこたえながらお話しをしていきます。1人あたりの診察時間は、十分にお話を伺えるように30分間を設定しており、医師の診察時にはなかなか聞けなかったことでも気軽にご質問していただけます。通常の健診と助産師外来は交互に予約をとるようにしており(下記《健診スケジュール例》を参照ください)、状況に応じて医師と連携をとりながら診察をすすめていきます。
《対象となる妊婦さん》
- ご本人の希望があること
- 妊娠16~40週未満で、医師が助産師外来での対応が可能だと判断した方
- 経腟分娩予定である方
- 妊娠に伴う合併症がない方
- 経産婦さんの場合には前回の妊娠・分娩に際して異常がなかった方
《医師の診察を勧める場合》
- 子宮収縮(お腹の張り)が度々あるとき
- 出血があるとき
- 尿検査、血液検査、血圧測定の結果、異常値を認めるとき
- あかちゃんの推定体重が小さ過ぎる場合
- あかちゃんの推定体重が大きすぎる場合
- 妊娠32週以降で骨盤位(さかご)である場合
- その他、体調に異常がある場合(発熱、倦怠感、食欲不振、体重減少、体重増加など)
《健診スケジュール例》

上記内容に加え、妊娠中の不安、便秘や発疹などのマイナートラブル対処法、利用可能な公的サービスの提案など、妊娠・分娩に際して起こりうる様々な出来事に対して助産師の専門性を活かしたサポートができるように努めていきます。
助産師外来を受診してみようかな?と思われたなら、産婦人科外来の受診あるいは保健指導の際などに担当の医師やスタッフに声をかけてみてください。助産師による”なんでも相談”がそれぞれの快適なマタニティライフにつながりますように。
文責:産婦人科 佐野