新生児のスクリーニング検査②:「新生児聴覚スクリーニング検査」について ~赤ちゃんの難聴を早期発見して、適切な医療を受けていただけるように~

今回は、2019年2月の記事に引き続き、新生児のスクリーニング検査のうち「新生児聴覚スクリーニング検査」についてお話しいたします。
《2019年2月の記事内の「新生児スクリーニング検査とは?」はこちらからご覧いただけます》

●「新生児聴覚スクリーニング検査」とは?

生まれつき耳のきこえが良くない子(先天性難聴)を見つけるための検査です。先天性難聴の頻度は約1,000人に1~2人で、そのうち約半分が両耳の難聴です。
先天性難聴のお子さんは、なるべく早くから補聴器をつけたり専門の療育指導を受けて聞く力や話す力をつける練習を始められると、将来の話す力やコミュニケーション能力を高めることができることが知られています。一般的には生後4~5か月ころから療育指導が受けられると良いとされています。とはいえ、生まれてすぐの診察や乳児健診、普段の様子から難聴を疑うことは必ずしも簡単なことではありません。ですからスクリーニング検査による早期発見が大切なのです。
「新生児聴覚スクリーニング検査」は海外でも行なわれており、日本では全国で約9割のお子さんが受けていると報告されています。

●どうやって検査するのですか?

当院も含めて多くの施設では、それぞれの病院や産院で専用の機械を用いて、生後数日以内の入院中に行われます。機械によって多少の違いがありますが、お子さんの耳にイヤホンやイヤーカップをつけて、機械が出す小さな音をそこから聴かせて、同じイヤホンや頭に貼りつけたシールのような電極からその反応を検出します。痛くない安全な検査です。検査はお子さんが静かに眠っているときに行い、5~10分ほどで終了します。

●検査の結果はいつ、どのようにわかりますか?

検査の結果はすぐにわかります。
きちんと反応があれば「パス(pass)」と判定されます。反応が乏しければ「リファー(refer)」と判定され、再検査となります。再検査については、別の項目(「再検査」が必要と言われたのですが?)で詳しく説明します。

●検査の結果「パス(pass)」と言われたら、難聴の心配はないのですか?

残念ながら、そうではありません。
軽症の場合は発見が難しい場合もあります。また、先天性の原因でも生後しばらく経ってから難聴を発症することがありますし、中耳炎を繰り返すことなどでも難聴となる場合があります。そのような場合にはこの検査で見つけることはできません。成長するにつれて音への反応がだんだんわかりやすくなってくるので、普段から音に対する反応やきこえ、ことばについても注意してゆきましょう。

●検査を受けるために費用はかかりますか?

この検査の費用は病院や産院によって異なります。出産費用に含まれている場合もあります。国や自治体の推奨のもとでそれぞれの病院や産院が独自で行なっているからです。

●検査を受けるにはどうすればよいですか?

お子さんが生まれるまでに、妊婦健診や入院したときなどに産科で説明がありますので、ぜひ申し込んでください。

●「再検査」が必要と言われたのですが。

難聴と診断されたわけではありません。
再検査(「リファー(refer)」)と判定された場合は、数日後にもう一度同じ検査をします。再検査の結果で片耳でも「リファー(refer)」であれば、もう少し詳しく調べられる別の方法で精密検査を行ないます。この精密検査は生まれた病院で行なわれる場合もありますし、専門の耳鼻咽喉科医がいる医療機関に紹介されて行なわれる場合もあります。この流れは病院や産院によっても異なりますので、担当医の指示に従ってください。
再検査や精密検査の結果で異常なしと判断される場合もありますが、難聴が疑われた場合でも、決してあわてる必要はありません。しかし、遅くとも生後3か月ころまでに小児の難聴を専門とする耳鼻咽喉科医を受診することが、その後の治療のためには大切です。

ひとりでも多くのお子さんが、この検査をきっかけとして早くから適切な医療を受けられるようにと、私たちは願っています。

◆ 東京ベイ・浦安市川医療センター 小児科

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