オンライン母親学級、はじめました〜助産師が取り組むwithコロナの出産前教育〜

みなさんこんにちは。東京ベイ周産期部門、産婦人科病棟の助産師です。
助産師のお仕事は「分娩に携わること」が最大の役割だと思われる方も多いかもしれません。「お子さんの誕生という貴重な場」に携わりサポートすることが許されることは、助産師に与えられた『特権』だ、と私は思います。

一方で、助産師の役割は分娩に関わることだけではありません。分娩に携わることは助産師の役割の一部です。分娩に至るまでの間に、妊婦さんが分娩に向けて心身共に健康状態を維持増進させることや、新しい家族を迎えるためにはどのような準備をしていくのか、適宜保健指導していくことも重要な役割になってきます。そのため新型コロナウイルス感染症が流行する以前の当院では、多くの妊婦さんやそのご家族を対象に母親学級や両親学級を開催してきました。

しかし、新型コロナウイルス感染症の流行と共に3密を避ける生活が叫ばれるようになり、2020年4月には緊急事態宣言が発令されたことで、私たち助産師の活動についても見直す必要がありました。その結果として、集団で集合する従来の方法の母親学級や両親学級は、妊婦さんやその家族の感染リスクが否定できず、私たち助産師は断腸の思いで母親学級や両親学級を中止することにしました。

母親学級や両親学級の効果とは・・・

母親学級や両親学級の効果として、妊娠中の身体的・精神的な変化について知ることや出産に向けての準備、不安を軽減させることができると言われています。また同じ妊婦さんやそのご家族と接することで悩みを共有し、妊婦さん同士の交流の場になることを期待しています。そのため以前は、出産後同じお部屋になった方が「母親学級で同じでしたよね。」と母親学級に参加していたことをきっかけにママ友になったりする光景を目にすることがありました。

一方で、新型コロナウイルス感染症の感染対策から外来受診時は妊婦さん一人で受診するようお願いし、待合室での交流も難しくなっていますし、そのきっかけがありません。そのことで保健指導時、母親学級や両親学級の再開を望む妊婦さんが意外と多く、私たち助産師も何らかの方法で母親学級を再開できないかと考えてきました。

そこで、当院ではMicrosoftTeamsを活用した、院内研修や会議を早期に導入しオンラインを活用してきました。そこに注目しオンラインを活用した母親学級を検討し、院内の各種部門の皆さんの協力を得ながら、再開を目指してきました。母親学級再開に向けて中心メンバーで企画運営し、妊婦さんをお招きするため何度もオンライン環境で試行錯誤しながらようやく皆さんに提供できる形になりました。

オンラインのメリットは、やはり来院せずに妊婦さんがどこからでもネット環境さえあればアクセスすることができることや、天候に左右されないということでしょう。以前台風により母親学級を中止せざるを得ないようなことがありました。妊婦さんやご家族は参加するために日程を調整してくださっていますので、当日天候は非常に気になるポイントでした。このことから、どんな天候でも開催できることも1つの魅力になっていると思います。
まだ、再開したばかりの母親学級のため今後も内容を検討し、少しでも妊婦さんやそのご家族の不安を軽減し、新しい家族を迎える準備のためのお助けアイテムになれるようにしていきたいと思っています。もしご興味があれば妊婦健診の際ご案内しますのでお声掛けください。お待ちしています。

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