“栄養”からチーム医療を考える~東京ベイNSTの取組み~

NSTって何?

皆さんこんにちは。栄養室です。今回はNST;Nutrition Support Team(栄養サポートチーム)についてご紹介します。NSTは、栄養状態の改善が必要な患者さんに対し、最適な栄養療法を提案するための多職種のチームです。栄養改善のためには食事だけでなく、疾患の状態や日々の身体観察、薬剤、リハビリの内容など多角的に考える必要があります。チームでの活動は、幅広い視野で患者さんを診ることに大きな意義があります。

NSTの活動では、それぞれの専門分野で力を発揮します

当センターのNSTは医師、看護師、薬剤師、理学療法士、言語聴覚士、そして私たち管理栄養士で構成されています。毎週木曜日にメンバーが集まり、栄養改善の必要な患者さんのカンファレンス・回診を行い、各職種の専門的な視点で意見を出し合っています。
実際にNST介入をしている症例は

  • 褥瘡や創傷がある
  • 嘔吐や下痢が続いている
  • 食思不振が続いている
  • 点滴や経管栄養で栄養管理をしている
  • 摂食嚥下機能が低下している

など、低栄養状態のリスクが高い患者さんです。

~実際のカンファレンスの様子を一部ご紹介します~

医師:「○○さんは褥瘡の治療もしています。栄養は経口摂取と経管栄養を併用していますね。下痢が続いていたようですが最近はどうですか。」
看護師:「最近下痢はおさまってきていますが、褥瘡はあまり改善していません。」
薬剤師:「下痢は抗菌薬治療の影響もあったかもしれませんね、3日前に終了しています。」
管理栄養士:「経口摂取も進んでいるので、できれば経口摂取に重点を置きたいですね。」
言語聴覚士:「嚥下機能も問題ないので、進めていいと考えます。」
理学療法士:「歩行訓練が進みADLも上がっています。離床時間が増えたので褥瘡の改善も期待できますが、もう少し栄養量が必要かもしれませんね。」


NSTは主治医とも連携を取りながら、このように活動しています。

NSTのメンバーから病院全体へひろがる「栄養」への関心

NSTでは栄養管理の理解を深めることを目的に、院内勉強会を定期的に実施しています。
過去の勉強会内容を一部ご紹介します。

  • 栄養管理について(栄養剤の試飲会も実施)
  • 摂食嚥下障害について(嚥下調整食の試食会も実施)
  • リハビリテーションと栄養~高齢者の栄養状態~

これからも患者さんの“栄養”についてチームで支えたいと思います。どうぞよろしく!

◆ 東京ベイ・浦安市川医療センター  栄養室

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