看護師として、総合病院、特に急性期病院で働くみなさんは、日々目まぐるしく変化する患者さんの状況や、様々な問題に直面し、試行錯誤しながら改善策を考え、対応していることと思います。
主治医に相談をして協力を得ながら対応策を考えることが多いかもしれません。
しかし患者さんに起こる問題はさまざまであり、また主治医も多忙であることが多く「毎回相談するわけにはいかないしどうしよう、困ったな…」という状況に陥ることはありませんか?
・さまざまな分野のプロフェッショナルから指導を受けられる
何が原因なのか、看護師としての自分の知識を総動員しても全然わからない。
起こった問題がそれほど急ぐものではない(命にかかわる問題でない、と一見思われるような問題)と感じるときは特に、「これは誰に相談するべきなのかわからない。」「気になるけれど、今すぐ相談すべきことなんだろうか。どうしよう…」ということ、あると思います。
そもそも患者さんの状態をマネジメントする上では、薬剤、栄養、リハビリ、医療機器に関することなど様々な分野での専門知識が必要となり、我々看護師だけで全ての問題を解決することは不可能です。
もちろん医師がそれら各分野の専門知識を全て知っている訳でもありません。
そういう時、各分野の専門家である薬剤師、管理栄養士、理学療法士、臨床工学技士等の方々に気軽に相談できる環境だったら心強いとは思いませんか?
当センターは各病棟に担当の薬剤師、栄養士がおり、また夜間も薬剤師、臨床工学技士、臨床検査技師が常駐しています。
その他、米国呼吸療法士や言語聴覚技士も在籍しており患者さんへのケアはもちろんのこと、合間に看護師への指導もしてくださっています。
例えば、人工呼吸器などの医療機器は日々進歩しています。
管理方法、操作方法は複雑でなかなか理解するのは大変です。
先日、ある機器の取扱いについて不安を抱くスタッフの声があり、臨床工学技士に相談したところ、すぐに病棟で勉強会を開催してもらうことができました。
病棟単位の勉強会は小ぢんまりとしていて質問もしやすく、全員が実際に機械に触れることができるのが魅力ですよね。
こういった勉強会を各部門のプロフェッショナルが適時開催してくれるため、看護スタッフの理解が深まり大変助かっています。
・小さいことでも相談できる垣根の低さ
以前、夜勤の時でしたが患者さんの心電図の波形の感知が弱く、実際に不整脈が出現している訳ではないのに致死性不整脈出現のアラームが頻回に鳴り、応に苦慮することがありました。
何度も張りかえても、また電極をテープで固定し皮膚に密着させても改善しませんでした。
鳴り続けるアラームを無視するわけにもいかず、困り果てて、夜なのにすみません、と勇気を出して臨床工学技士の当直に連絡しました。
病棟に来てもらい、電極の張る位置を調整してもらうと、正しい波形となりアラームは消失しました。
その時に、電極を近づけることで電位の感知が良好となることを教えていただきました。
「そんな簡単なことがわからなかったの」とこれを読んでいる皆さまに思われて恥ずかしいのですが(笑)、日々働いているとこういった細かい問題にも直面します。
僕は今までこのように、とても小さい(と一見思われる)問題を、多職種の方に幾度となく相談をさせていただきましたが、「なんだよ、こんなことで呼んで」と面倒がられることは一度もありませんでした。
そして毎回快く相談に乗ってもらい、丁寧に対応してもらって、アドバイスは全て的確でした。
一見小さい、急を要さない問題だと自分は思っても、本当はそうでないこともたくさんあります。
小さい問題を、わからないからと放置していては大きな問題につながりかねない、実際に病棟で働いていると本当に身に染みて感じます。
誰かに何かを相談したいとき、「垣根が低い」ということは本当に大切だと僕は思います。
そして、優秀なスタッフが相談しやすいようにあえて垣根を低くしている、これが東京ベイの多職種連携をスムーズにしている一つの要因だと強く感じています。
遠慮せずに相談・確認すること、それができる環境があることでベストな看護を実践するために集中できます。
そして各専門分野のプロフェッショナルから学べる、それは必ず自身の成長につながるはずです。
担当:6南外科病棟看護師