みなさん、こんにちは!救急外来看護師です。
みなさん、「トリアージ」ってご存知ですか?医療ドラマや映画などで、一度は聞いたことのある言葉ではないでしょうか。今回は、私たち東京ベイの救急外来看護師が実際に行っているトリアージについて、紹介していきたいと思います!
そもそもトリアージとは、患者の重症度に基づいて治療の優先度を決定して選別を行うことをいいます。語源はフランス語の「triage」とされています。当センターでも、患者さん一人ひとりからお話を聞き、緊急度・重症度を判定しています。時には、重症の患者さんの対応のために診察の順番が前後してしまったり、診察をお待たせしてしまうこともあります。
実際のトリアージでは、血圧の値や呼吸回数、脈拍数、体温といった「バイタルサイン」の確認や、反応が普段と比べて鈍くないかなどの「意識レベル」の確認、出血の有無などを確認します。また、患者さんの症状から考えられるありとあらゆる疾患を想像し、重症な疾患が隠れていないかを検討します。
例えば「胸痛」。心筋梗塞や気胸など、胸痛から考えられる疾患は多くあります。いつから痛いのか、胸のどのあたりが痛いのか、どのような痛みなのかなど、患者さんからお話を聞き、危険な病気が隠れていないか考えていきます。必要であれば、トリアージの時点で心電図の検査を行うこともありますよ。
当センターでは、独自に作成されたトリアージ表をもとに5段階トリアージを行っています。

また、「どのくらいの時間待つことが可能か」も、判定基準の一つになります。例えば蘇生(青)ですと、命の危険に関わる病態であるため、常にバイタルサインの再評価が必要です。

救急の現場では、問診で話す本人の症状だけで、必ずしも正確な重症度判定をすることはできません。さっきまで元気に話していた人が、いきなり急変してしまう可能性もあります。そういう怖さを肌で感じている私たちにとって、トリアージというのは大切なプロセスなのです。命に関わるような重症の患者さんを優先して早く検査・治療を行い、確実に救命するために、「トリアージ」というものがあります。
トリアージは、すぐに治療が必要な患者さんを見極めて適切な救急対応を行うための第一歩です!緊急性の高い疾患を見逃さぬよう、そしてスムーズに診察が進められるよう、救急外来のスタッフ全員で協力しながら日々トリアージを行っております。
ご来院の際に何かお困りのことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。