皆さんこんにちは!!ICU・CCU病棟です。今年は残暑厳しく、体調を崩された方も多かったのではないでしょうか?秋になり、ようやく過ごしやすい季節となりましたね。美味しいご飯を沢山食べてパワーチャージしていきましょう!!
さて、今回はICU・CCU病棟で3か月毎に定期開催しているシミュレーション型の勉強会:PCPS回路交換についてご紹介致します。
皆さんはPCPS(percutaneous cardiopulmonary support)という装置を知っていますか?経皮的心肺補助装置のことを言い、大腿動静脈経由で太いカテーテルを挿入・送血・脱血を行う事により、心臓のポンプ機能の補助を行います。主に心筋梗塞や重症心不全に伴う心原性ショックを来している患者、心筋炎や致死的不整脈といった心疾患、IABPを使用してもLOSが改善しない患者に適応されます。また心肺停止の患者に蘇生手段として使用されます。当センターでは、肺塞栓症や重症ARDSによる低酸素血症に対して呼吸補助を目的としECMO(extracorporeal membrane oxygenation)という体外式膜型人工肺を使用することがあります。このような高度生命維持装置を使用するには医師のみではなく、臨床工学技士の方々が必要不可欠となります。そこで集中治療科医師、臨床工学技士の方々に協力を頂き、PCPS回路交換時の必要物品、他職種との連携、処置手順について勉強会を開催しています。
<勉強会での学び>



PCPS回路交換は年間を通して数例あるかないかです。定期的な勉強会によりスタッフの知識が維持され、緊急時の迅速な対応へとつながっています!!
<PCPS装着患者の看護の視点(一部を掲載します)>
- 挿入されているカテーテルの長さを確認します。血管の蛇行が強く根元まで挿入できないことがまれにあり、浅い挿入となっている場合は体位変換や処置の刺激で抜けてしまうリスクがあるためです。
- 下肢動脈血栓形成やカテーテルによる動脈閉塞による阻血がないかをこまめに観察し、異常の早期発見に努めます。
- 血液とPCPS回路の接触により血栓を形成しやすい状態となるため、脱血カニューレの接続部分や人工肺に血栓が形成されていないか観察します。モーターの稼働音の変化に注意します。
- 上記を予防するため抗凝固療法を行うためACT:活性化凝固時間、APTT:活性化部分トロンボプラスチン時間の推移と神経所見や消化管出血の兆候がないかを観察します。
- カニューレ挿入手技による後腹膜腔出血の可能性や、送血カニューレの挿入部位に動脈解離を起こすことがあるため急激な血圧低下に注意します。
今回ご紹介する写真は6月に開催した勉強会の様子です♪

