明日につなげる安全対策@透析室

こんにちは!街中はクリスマスムードになり、クリスマスソングも聞かれるこの頃。いかがお過ごしですか?看護学生のみなさんも、国家試験に向けて頑張っている方が多いかと思います。今回の担当は透析室です。

寒く乾燥するこの季節。インフルエンザの流行に注意が必要ですよね。私達スタッフもそうですが、インフルエンザなどの病気で体調を崩して入院されたり、新規に透析導入になる方も多くなる季節でもあります。透析をされている患者さんは免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなっているため、外出時のマスク、手洗い、うがいをお願いしていますが、予防策をとっていてもいつのまにかかかってしまうのがインフルエンザ。他の患者さんにインフルエンザがうつらないよう、個室で透析を施行していただいたり、透析のベッドの位置を調整したりと・・・透析室のドタバタが続く季節でもあります。

さて、今回の話は透析室の安全対策についてです。なぜこの話にしようと思ったのかというと・・・今年は、災害の多い年でした。台風や停滞前線による豪雨、地震による大規模な地滑り、大規模停電もありましたよね。血液透析では腎臓の代わりに血液中の毒素を浄化し、おしっこが出ない代わりに血液から水分を抜き体外に捨てるということをしていますが、1週間に3回、透析施設への通院が「治療」として必要になっています。病院に行けば透析ができる!と、思っている患者さんもたくさんいらっしゃると思いますが、透析を行うための準備はたくさんあるのです。

まずは患者さん側から考えると、『通院』について。通院が大変!迎えにきてほしい!といわれても送迎車がなかったり、災害で使えなかったり、出せなかったりします。当センターでは送迎を行っていないため、移動手段がなくなり通院できなくなる可能性のある方もいらっしゃいます。先ほども書きましたが、1週間に3回、透析施設への通院が「治療」として必要になっています。その「治療」を行う場所にたどりつくことも、安全対策の一つなのではないでしょうか。

では、透析室にたどりついたとしましょう。その後も、災害によってはさまざまな問題が起こる可能性があります。病院側から考えると、透析では透析をするために必要なきれいな水を作る機械「RO装置」、透析液を作り供給する「多人数用透析液供給装置」「透析監視装置(コンソール)」という専用の「機械」を使用し透析は行われています。そう、「機械」を使用しているからこそ『電力』が必要なのです!

また『きれいな水』が必要なため、上水道の供給が止まった場合にも透析はできません。ほかにも、「透析回路」「人工腎臓(ダイアライザー)」「透析の穿刺針」に、消毒液、固定のテープなどなど・・・透析をするためには『必要物品』もたくさんあるのです。また、『透析を実施する側の、スタッフ確保』も必要になりますが、当センターの近辺に住んでいるスタッフだけではありません。電車通勤しているスタッフは病院に来ることができるのか、そういった問題もでてきます。

地震がきたら・・
水害になったら・・・
火災が発生したら・・・
それぞれに対応した緊急時マニュアルも検討し直さなければならないと思っています。大きな地震が起きた時、24時間続けて透析を施行したという災害時の経験を聞く機会がありました。当センターでもリスクを最小限にする工夫に取り組んでいます。

実際当センターの透析室では、今できる事としてどんな対策をしているのでしょうか。透析コンソール1つ1つに、止血ベルトや止血時に必要な物品をいれた緊急離脱セットを準備。

透析の針は、一方弁のものを使用(透析回路がはずれても、針から血が出ない構造の針)。

緊急離脱の方法や、どれぐらいの震度で透析回路の返血をせずに離脱させるのかなど、まだまだ課題は多いですが今年度中には形にできればいいなと思っています。

また、透析室という限られた空間のなかでのコミュニケーションも安全管理には必要だと思います。ほぼ毎日顔を合わせる仲間だからこそ、何かがあった時に円滑に物事が進められるように、声をかけ、相手を気遣い、助け合う。調子が悪そうであれば、少し負担を軽減させられるように働きかけたり、もちろん子育て中のお母さんもいらっしゃるので、急な休みの場合は出勤しているみんなでフォローします。

そのためには、まずは挨拶が大切だと私は思っています。朝の出勤時の一声で、「元気がないなー」とか「お、今日はやる気マンマン!」「ええ、何があったの!?」と、いろいろと相手を気遣うことができます。
看護師が患者さんを看るように、スタッフの状態も見て、アセスメントしているわけですよね。挨拶が返ってこない、暗い雰囲気の中、私は仕事をしたくないです。だってお仕事は大変。少しでも楽しく、元気にやらなくちゃ。もやもや、イライラしていたら、それだけでも冷静な判断ができなくなり、ミスが増える可能性高くなっちゃいますからね。飲ミニケーションという言葉もありましたが、たまには気の合う仲間と無礼講で話あうことも。あとは誕生日祝いをしたりしています。

そうそう、当センターの透析室では先生が目まぐるしくかわります。短い期間でいろいろな科を初期研修の先生などが回るわけですが、透析室にきてくれて、一緒に仕事をして頑張ってくれた先生にお疲れさま!をしたりもします。

いいことはみんなで共有!悪いことは反省して次に生かせるように・・・みんなで知恵を出し合って解決策を探すために、RCA(根本原因分析法)をしてみたり。看護師だけではなく、臨床工学技士、医師、もちろん薬剤師、栄養士、検査科のみなさん達と共に、患者さんを守れる、そんな透析室にしていきたいのです。

え、興味がわいた?飲み会だけ参加したい?飲み会だけっていうのはちょっと寂しいですが。たくさん機械がある透析室。興味をもってくれたら、いい機会だと思います!

◆ 東京ベイ・浦安市川医療センター 看護部

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