“生きる、を支える”ってなぁに?~東京ベイナースがベッドサイドで考える看護とは~

実は先日、患者さんとのやり取りの中で「看護って何か」を考える機会がありました。毎日業務に追われていると、なぜ看護師になったのか忘れてしまいがちになっている自分に気がついたんです。
いまがむしゃらに看護師をしているみなさーん!昔、看護学生だったころ思い描いていた夢に、すこしだけ思いを馳せてみませんか。

🎵24時間、たたかえますか~🎵

社会の荒波はいつの時代も民衆に容赦なく押し寄せます。バブルがはじけ、就職氷河期を乗り越えなければならないことが分かっていた学生時代に私が選んだ仕事は、看護師。そのときは理想的な夢をもっていたわけではなくて、現実的に、“手に職を”をかなえられる職業でした。興味や事前のイメージなど全くないまま看護学生になった私の苦労は、・・・・(笑)。言うまでもなく、前途多難であり、苦労の連続。友人や教員の力を借りずに卒業することはできなかったといっても過言ではありません。

でも、学生時代、とっても楽しかったんです。学校が新設校だったために、学祭や体育祭、イベントごとのパーティの企画・運営などいろんなことをやりました。実習で苦しんでも、教員が親身になって相談にのってくれました。いま振り返ると、とても幸せな環境だったなあと思います。きっと教員にしてみたら破天荒極まりない学生だったと思いますが、容認してくださった教員へは感謝してもしきれません。初めて実習に行った時のあこがれの看護師は、今でも鮮明に覚えています。素敵な笑顔で、私たちを迎え入れてくださった、あの日のこと…。

いま、改めて・・・

「看護とは、患者の生命力の消耗を最小にするように生活過程を整えること」とナイチンゲールは1859年『看護覚え書Notes on Nursing』初版に書きました。以来、約200か国の言語に訳され、看護のバイブルとして読まれています。もちろん私も学生時代に課題図書として読みましたが、何が言いたいのか全く理解できず、感想を書くのに苦労しました。しかし、先日読み直してみたんです。約160年も前に未来を見据えたフローレンス・ナイチンゲールの異様なまでの看護という仕事に対しての執念深さに、ある意味尊敬と驚愕を繰り返さずには読み進められませんでした。一方で当時の日本に心を寄せてみると、幕末の真っ最中。世間の大きな動乱のなか、一般の人々は懸命に生き抜くことを考えていたのでは、と今年の大河ドラマ『西郷どん』を見て感じるのです。

さて、あの時代に生きたナイチンゲールが伝えたかったことは、きっと「看護師の職業的自律」と「専門職者としての覚悟」。毎日“生きる、を支える”を実践することが看護師としてのゆるぎない誇りだと背中を押されている気分になりました。東京ベイナースにはまさに、365日休むことなく地域に寄り添い“生きる、を支える”看護師が集まってきています。

毎日に疲れたら、読み直してみませんか?『看護覚え書Notes on Nursing』。新しい何かが見つかるかもしれませんよ(笑)。

◆ 東京ベイ・浦安市川医療センター 看護部

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