こんにちは。新人看護師として東京ベイのICUに入職して、2年目になりました。
昨年は、右も左も分からない、専門用語や略語ばかりの会話についていくことすらままならない状態からのスタートでした。プリセプターや周りの先輩にご指導いただきながら、出来る事が一つずつ増え、2年目に入る頃には、1人のスタッフとして患者さんを受け持たせてもらえるようにまで成長することができました。
そして、2年目になり、心臓血管外科の手術受けをさせてもらえるようになりました。心臓血管外科の術後の患者さんは、状態がすぐに変化するため、観察力やどのような変化が起こり得るか予測する力が必要です。医師からの指示も矢継ぎ早に出されるため、その指示に対応出来るスピード感やチームでの連携も必要です。この1年間積み上げてきたものを総動員して、患者さんの看護をしています。
OPE受けをする時は、術前の身体状態や、入院前、入院中にどのような生活を送っていたか、手術を受けるに至った経緯などを事前にカルテから情報収集して、患者さんを受け入れる準備をしています。OPE受けをする日の朝は、どんな患者さんがどのような状態でICUに入室されるのかドキドキしながら待っています。僕が緊張しているころ、患者さんは手術室に入室します。
今回、普段お会いすることのない、手術直前の少し緊張した表情の患者さんとお会いすることができました。患者さんは「先生にお任せするしかない」と話しておられ、手術を受けることを決意し、手術同意書にサインされた患者さんの気持ちを知ることができました。手術室の看護師は、同意書類の確認や病棟の看護師から申し送りを受けながらも、手術直前の患者さんの緊張をほぐせるように、声をかけておられ手術室看護師の看護を知ることができました。
いざ、手術室に入室しても、確認が続きます。患者さんに麻酔がかかる直前には、主治医だけでなく、患者さんを含めた手術室にいるすべての人で、患者さんの名前や術式などを最終確認し安全に手術が行われるようにしていました。
そして、麻酔がかかると、医師は、皮膚の消毒や、各種ライン類の確保など手術に向けた準備を行います。その間も看護師は、常に患者さんの看護をしています。羞恥心への配慮や、身体に密着し皮膚トラブルの原因になるような医療機器はないか、手術台周囲の環境は清潔が保たれているかなど様々なことに視線を向け、手術室看護師ならではの看護を見ることができました。
手術中は、初めて見る心臓や、心臓血管外科医、麻酔科医、臨床工学技士など多職種の息のあった連携プレー、縫合するときの繊細な手の動きなど目に入るすべてのものに感動していました。6時間ほどの手術が一瞬のように感じました。また、普段ICUでは優しくて気さくに声をかけてくれる心臓血管外科の医師ですが、手術室での張り詰めた緊張感や真剣な視線に、普段の笑顔とのギャップを感じてすごくかっこよかったです。

手術が終わると、ICUに向かいます。ここからは、我々ICUナースの出番です!手術室看護師から申し送りを受け、刻々と変化する患者さんの状態に合わせて看護していきます。今回実際の心臓を見たことで、心臓の動きがイメージできるようになりました。ベッドサイドの様々なモニターの情報をもとに、患者さんの心臓の動きをイメージして看護ケアをしていきたいです。
知識も経験も未熟ですが、今回良い経験ができたことで、患者さんをみる視野が広くなりました。入院前や手術前の患者さんの思いを忘れることがないよう、一般病棟へ退室後、退院後の生活までを見据えた、ICUでの術後看護ができるようにしていきたいです。