「急変?」起きてからより起きる前にどうするか?〜ICUからはじまるCCOT〜

皆さん、こんにちは!ICU看護師です。新元号が「令和」になって3か月、いかがお過ごしですか?ICUでは初めて新人看護師を迎え、新たなスタートをきってから早くも4か月が過ぎようとしています。
東京ベイICUでは看護師一人一人がそれぞれ成長の花を咲かせ、患者さんにとってより良い看護が提供できるよう、チームICUで頑張っていきたいと思います。「ありのままのICU/HCU」をお届けできるよう頑張りますので、よろしくお願いします。
さて今回のICU記事は「CCOT活動について」皆さんに発信していきたいと思います。CCOT看護師に活動内容について聞いてきました。

CCOT活動について

それでは、CCOT(Critical Care Outreach Team)について紹介します。CCOTとはRRS(Rapid Response System)、院内迅速対応チームの構成要素の一部です。
患者さんは急変に至るまでに何らかの警告サインを出している場合が多いと報告されています。そのサインに早期に気づき、正しく判断し、対応することである程度予防することができるのではないかという考えのもと、日本では2008年「医療安全全国共同行動”いのちをまもるパートナーズ”」の行動目標の1つとしてRRSの確立と導入が挙げられています。

当センターでは入院中の患者さんや外来受診の患者さんの病状悪化に対してより早く対応するため、開設当初からRRSを推進しています。

CCOTは、RRS活動の1つとしてICU看護師が得意とする重症患者さんの観察やケア技術を武器に、2017年7月より始動しました。超高齢社会の今、既往症を多数抱えている患者さんに対しての医療は高度かつ複雑化しています。そんな中、多くの患者さんを担当する一般病棟看護師の業務は多忙を極めています。そこでCCOTとして、私たちICU看護師が重症患者さんの特徴や辿るだろう経過を予測したアセスメントや看護技術を病棟看護師と共有することで、看護の現場で「何かおかしいな?」と思ったことを言葉にし、より早く対応することを目標とした活動をしています。病棟の垣根を越えた活動です。

例えば、一般的に敗血症の死亡率は15-25%で、敗血症性ショックまで至ると死亡率は30-50%とより高くなります。しかし、敗血症ショックに至る前に患者さんの異変に気づき、医師への報告や適切な対応、集中治療室に移動して患者さんの治療にあたることで重症化を防ぐことができるのではないかと考えています。

このように、集中治療を受けた患者さんのフォローアップや再悪化の予防、重症化する可能性のある患者さんの観察や新たな治療介入の必要性評価、患者さんが適切な治療を受けられるようにすることが私たちCCOTの役割です。

当センターでCCOTをはじめてまだ2年弱ですが、病棟看護師へのアンケートではCCOTの認知度85%以上であり、その大半からCCOTシステムに賛成だという回答をいただいています。病棟看護師、各科患者さんの担当医、状態変化の懸念がある患者さんの相談・対応をしてくれる集中治療医などの多職種の協力あってこそ成立するシステムです。まさに”チーム東京ベイ”を反映する活動に関われることを私は誇りに思います。
多忙な毎日だからこそ、私たちICU看護師一人一人が患者さんの重症化を防ぐために、チーム医療に力を入れて取り組んでいます。

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