片っ端からお見せします。東京ベイ手術室の新人教育を!~東京ベイでは久しぶりに手術室に新人が配属されました~

今年度4月に、手術室には新人看護師が2名と、病棟経験者だった既卒で手術室は初めての看護師が1名配属されました。最初、彼女らは「緊張」という名のマントを2重にも3重にも羽織っていました。それは離れたところで見ていても分かるくらいでした(笑)。
よく新人看護師や看護学生さんから、「手術室って大変そうだよね」とか「先輩が厳しそう」と言った声を聞くことがあります。確かに手術室で働いてきた私から見てもそういったところはあるかもしれませんね。実際のところ、東京ベイの手術室は6室、年間3,000件を超える手術を看護師20人程度で支えているので大変だと思います!そのうち1部屋はハイブリット手術室となっていて心臓外科のステントグラフト挿入術やTAVIなどフル活動で行っています。また東京ベイの手術室は心臓血管外科、脳神経外科、小児外科、婦人科、整形外科、外科、眼科、あと前立腺生検など8診療科のあらゆる手術に対応し、さらには24時間365日緊急手術にも対応しています。

でも、手術室は「大変だ!」や「厳しい!」だけではありません。手術室は患者さんの命をお預かりする真剣勝負の場です。そこで安易に楽なことに逃げたり、雑な仕事をしていては、患者さんに命を預けてもらう資格はありません。大変で厳しい手術室看護には厳しさはもちろん必要不可欠ですが、それ以上にやりがいのある仕事なのです。

手術室のやりがいとはなんでしょうか?たとえば、患者さんの不安な気持ちが少しでも和らぐように声掛けしてバイタルを安定させる事も大切な看護。外回り看護師は、全身麻酔下の意識のない患者さんの代弁者となります。そして患者さんの安全・安楽な体位をとることも非常に重要な看護です。器械出し看護師のやりがいは、手術を安全にかつ迅速に進めることです。少しずつ難しい手術にステップアップし、どんな難しい手術にでも入れること目標に日々勉強しています。

(先輩看護師の指導の元、清潔操作で手袋をはめる練習です)

配属から5カ月が経過し、新人さんたちも環境に慣れ少しずつ笑顔も見られるようになりました。今どの様に感じているか、新人さんにインタビューしてみました。

病棟経験者、既卒の看護師歴9年。吉本新喜劇を見ることが趣味のうっちー(ニックネーム)は、
「手術室の印象は、チームで医療を提供しているという印象です。出来ることも少なく多くのことを勉強していかなくてはいけないので大変ですが、1つでも出来ることが増えるように頑張りたいです。1年後は安全・確実に器械出しが出来るようになりたいです。」

新人看護師で音楽鑑賞が趣味のずっきー(ニックネーム)は、
「緊急手術が多くて、いつも6個ある手術室が全部埋まっていてビックリしました。勉強することが多く分からない事ばかりだけど少しずつ課題をクリアしていき、出来るようになりたいです。患者さんの安全を守り手術を行えるように解剖や疾患を理解していきたいです。」

新人看護師でディズニー好きのぐっちー(ニックネーム)は、
「高額なものが多く、コストが高い器具がたくさんあることにビックリしました。今は率直に大変です。でも、出来ることが1つ1つ増えていき嬉しさと楽しさもあります。これからの抱負はまずは器械出しを1人で完璧にできるようになりたいです。今は先輩についていきながら自分の出来ることを探すのに必死ですが、少しずつ先輩を頼らず行動出来るように努力していきたいです。」


(実際に針糸をかけたり、メスの取り扱い方を練習もしました)

実際、手術室で長く働いている私でさえずっと怖いと思いながら頑張っています。何が怖いかというと、患者さんの命を預かる上で、色々な事が起こる可能性があり、迅速に、かつ適切に動かないといけないという状況下に常におかれているところです。それから、学ばなくてはならない知識が数多く、自分が分からないことが手術を円滑に進め患者さんの安全を守ることの妨げにならないかという恐怖もあります。手術室で適度な怖さと緊張感は絶対に外せない気持ちですが、やりがいを持てる職場でもあります。東京ベイはいつでも、どこでも、医療の提供者のプロを育てるために、七転び八起きしながら奮闘しています。新人看護師の皆さん、これからも手術室で一緒に頑張っていきましょう。

◆ 東京ベイ・浦安市川医療センター 看護部

メニュー