東京ベイ・浦安市川医療センター看護部教育企画委員会では、看護研究のサポーター活動をおこなっております。
昨今の医療界は、医療の高度化、高齢化社会を迎え、看護や介護を必要とする人が年々増加しています。
また、施設から在宅へのニーズも高まり、医療・保健・福祉が一体となって地域で支える地域包括へと活動が展開されています。
このような状況の中で、看護研究は看護の質の向上のために看護師が行わなければならない業務の一つと言われています。
そして多くの病院が看護研究を実施しています。
ただ、研究を進めていく上で研究の指導体制が重要です。
研究知識は、看護師経験を重ねれば修得できるものではないので、助言を受けられる研究指導者の確保・環境は、研究を進めていく上での重要な鍵となります。
当センターでの看護研究の歴史は、2012年の開設2年目から始まります。
開設年は、病棟を次々と開設(オープン)する事が優先であり、研究まで至りませんでしたが開設2年目で8つの病棟を開設することができ、看護研究をやりたい・できる部署で進めていく方針となりました。
目的は、やはり、教育を通じた看護の質の向上です。
研究指導者(サポーター)は当センターで臨地実習を実施している看護大学の講師に依頼し、今年で5年目を迎えます。
およそ1年を掛けて研究を進め、年度末に研究発表会を院内で開催しています。
研究テーマは、看護師の働く環境改善、業務改善、教育体制、認知症看護と多岐にわたり、また部署によっては2-3年継続して関連するテーマで研究しております。
指導は研究計画書の作成段階から始まり研究結果のまとめかたなど研究のプロセスを学ぶことができます。
外部からの看護大学講師が指導だと客観的に指導を受けられる反面、病院の背景や事情、臨床の現場事情など把握しきれない面があります。しかし当センターの指導者(サポーター)は、臨地実習で当センターの背景や現状を実際にみているので、大体の研究メンバーの意図していることが伝わりやすいというメリットがあります。それでも伝わりにくい内容や現状報告は、研究指導の場で教育企画委員がサポートしております。
看護研究の指導は、計画書の作成から始まり、結果をまとめて発表するまで続きます。東京ベイでは研究指導者(サポーター)と教育企画委員がタッグを組んで研究メンバーをサポートしています。
一般的に、組織の外部に講師を依頼した場合には『観的な視点』がメリットになりますが、個々の病院の特性や現場の事情とかけ離れた議論に陥ることがデメリットになります。我々の講師は、東京ベイに所属はしていませんが、臨地実習を通じて当センターの背景や現場の事情を把握しており、外部というデメリットを減らすことができます。さらに教育委員が適宜介入することで現場に最適化された研究になるような研究のサポートが可能になります。
つまり研究指導者(サポーター)と教育企画委員がタッグを組んで研究メンバーをサポートしています。
今年度の看護研究活動も中盤を過ぎ、結果のまとめかたなど指導を受けている段階です。
今年度の研究メンバーは、ベテラン看護師もいますが、入職3年目の初めて研究に携わる研究メンバーが多いことが特徴です。テーマを絞るのにもメンバーの思いだけが先走りして、研究テーマが絞りきれず、悩んでいるところを指導者より其の思いを導きだされ、研究の方向性が明確となり、メンバーの表情がすっきりとして指導室を後にしていきます。
昨年度の看護研究発表会では、身近な看護ケアやキャリアラダーなどをテーマとした研究が参加者から好評で、質疑応答でも盛り上がる一面が見られました。
現在、院内12部署で看護研究が進められています。
来年2月24日に開催される看護研究発表会に向けて、看護部各部署のチームが定期的な研究指導者との面談でサポートを受け、それぞれの看護研究に取り組んでいます。