「自分で食べる」を叶えるためにもっと出来ること〜看護の視点から、あれやこれや工夫します〜

こんにちは5階南病棟看護師です。当院の5階南病棟は脳神経外科の病棟です。脳出血や脳梗塞など様々な脳の疾患によって麻痺等の症状を持った患者さんがたくさんいらっしゃいます。今後リハビリを行い、自宅や地域で生活していくためにはADLを上げていくことが大切です。食事もその中の一つです。今回は麻痺や嚥下障害を持ちながらも、「食べる」を支援するために私たちが行っていることについてご紹介します。

みなさんは自宅でどのような食事を食べていますか?入院中の患者さんは例えばこんな食事を食べています。私たちが食べている食事と大きな差はありません。

同じ食事でも、嚥下障害のある患者さんはこんな風に、食事の形態が変わってきます。

これは、嚥下訓練移行食といって、口の中の食べ物がうまく呑み込めない患者さんはこのように食事の形が変わります。言語聴覚士が介入しながら、その患者さんに合ったものに変えていきます。

飲み込みには問題のない、麻痺のある患者さんの食事はどうでしょうか。

この食事を見て、なにが工夫されているかわかりますか?
スプーンとフォークの柄が少し太くなっているのがわかりますよね。これは自助スプーン、自助フォークと言って、握る力が弱かったり、手が動かしづらかったりする患者さん(脳梗塞など脳神経の障害が出る病気の方など)はこういったものを使って食事をします。

他にもたくさんの種類があるので、看護師はどれが一番合っているか、調整していくことがあります。実は、食器自体にも工夫がされているんです。食器の裏面をよく見てみると、滑り止めがついています。

また、食器にはこれがあることによって、片手でも食事がすくいやすくなります。看護師が患者さんの食事の様子を見ながら、患者さんが一番食べやすい食器を選択していくこともあります。

他にも、食欲がない患者さんに対してこんな工夫もできます。ランチョンマットを看護師のAさんが敷いてくれました。食事が華やかになって、食欲も出てきそうですね。また、栄養士や、言語聴覚士、医師とも相談しながら、食事の内容を変えていくこともあります。

入院中も食事が楽しくできるように、私たち看護師も、さまざまな工夫をしています。私たちの介入一つで「自分で食事ができた」という成功体験にもつながり、結果としてADLの向上にもつながります。

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