新人研修報告:多重課題研修 ~新人看護師真摯な対応~

新人看護師が入職して3カ月が経過し、3-4人の患者を受け持ち、看護技術や病態についてコツコツ学習をして毎日奮闘中です。今年の多重課題研修は事前に症例を提示し事前学習を行った上でのシミュレーション研修を行いました。

研修当日の新人看護師の表情はとても硬く、その運営スタッフにも緊張感が痛いほど伝わってくるなか、手に汗を握りながらスタートしました。

症例は転倒歴のある心不全加療中のA氏。急性膵炎にて痛みを訴えるB氏。肺炎にて痰絡みが強く酸素療法中であるがなかなか酸素化が改善しないC氏、順に受け持ち、3名を新人看護師5名で朝の9時から翌日9時までを想定し、申し送りをしていくという課題でした。症例を聴いただけで先輩看護師も対応について悩む症例であり、新人看護師も悩んで考えて頭が真っ白になって…そんな場面が多々ありました。1回目の体験後に先輩看護師の対応を映像で振り返り2回目に活かせるように良かった点や改善点を見出していました。

各自、受け持ち看護師として多重課題を経験し且つ次の勤務者への申し送りあるいはリーダーへの調整や応援依頼が1回目に比べて2回目はスムーズに行えている様子が見えました。今の病棟勤務の中でも「この仕事を先輩に頼んでも良いのだろうか」と強く思う新人看護師は少なくないため、患者第一で考え応援要請することも必要であることを学べたのではないかと思います。そして、患者役をやってみて感じたことは、新人看護師は全員患者目線に立って親身に話を聴いてくれるところです。今の私はできているのかと自分自身の振り返りにもなりました。

また、3日に分けて実施した多重課題研修の総括を全員で情報共有する中で優先順位・報告連絡相談・端的に申し送りができると言う研修目標が少しでも達成できたグループワークができていました。今年の新人の優れていること、それは自ら活発なディスカッションを行いまとめ上げプレゼンテーションする能力です。
特にグループワーク前は「あの対応でよかったのかなぁ」「正解はなんだったんだろう」等の疑問が多く残る中、再度グループワークをして情報を共有したことで「私も同じことで悩んでいた」「なるほど。そういうアプローチ方法があったのか」等の気づきが多く見受けられ、さらなる成長を感じた研修となりました。

ここからさらに驚いたことがあります。それはグループワークを行い、グループで解決できない問題を全体に提示し、みんなで活発な意見交換を行っていました。この場面から研修だけでなく、現場に戻ってからのカンファレンスの発言や他者の意見を聴き、考えを提案できたら充実した看護実践が行えるのではないかと感じました。

教育委員会

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