皆さんこんにちは。
突然ですが、「主任看護師」ってどんな役割の人かご存知でしょうか?
当センターの組織図でいうと、看護部全体の責任者が看護部長、その下に副看護部長と続いて、病棟や部署を管理する責任者は看護師長、その下に主任がいます。具体的なイメージが湧きにくいかもしれませんが、主任看護師はちょうどスタッフと看護師長の間で、いわゆる中間管理職のような存在です。そしてその仕事の内容は、師長の補佐、師長不在時の病棟管理、現場スタッフの教育、職場環境の整備、ときには学生さんの実習指導まで様々です。
マネージャー?それともプレイヤー?
主任看護師の仕事で、看護師長と大きく違う点は「看護実践を行う」というところだと思います。
私たち主任看護師は、マネジメントの視点を持ちながら一般のスタッフと同じように患者さんのケアにもあたっています。いかにして患者さんによりよいケアを提供するか、ということはもちろんですが、部署全体の看護の質の維持と向上、どうすれば部署としての目標が達成できるのか、というようなことを考えながら日々スタッフと看護実践をともにしています。
その日、その瞬間に患者さんに対して「最善のケア」を提供するのが良いプレイヤーだとすると、主任看護師は、いかにしてその「最善のケア」を毎日提供し続けることができる環境を作るか、ということを考えています。看護という仕事は、たった一人の優秀なプレイヤーがいるだけでは成り立ちませんので、「チームとしてどれだけ質の良いケアが提供できるか」ということに関してマネジメントが必要です。これには理想的かつ現実的で、さらに長期的な視点が必要なのですが、なかなか難しい!忙しいときにはついつい目の前のことばかりを考えてしまうことがあり、上司である看護師長と、日々の自身の業務や主任としての在り方について振り返りを行ったりもしています。
管理職としてはまだ入り口に立っているような状態で、迷いながらの毎日ではありますが、信頼できる自部署のスタッフとともにベッドサイドで患者さんに看護を提供することができ、その視点をマネジメントに生かせるということが最大の強みであり喜びだと私は感じています。
主任看護師の看護観
今回は、村山昇さんの著書「働き方の哲学」(*)をもとに、当センターの主任看護師に「自分は職業人として何者であるか」「仕事を通して何を提供することができるか」を価値の次元で表現し、宣言してもらいました。それぞれの看護観やプロフェッショナリズムが垣間見られた結果をいくつかご紹介します。
・私は仕事を通し、「患者さんが安心して過ごせる笑顔と、かゆいところに手が届く看護」を届けるプロでありたい。(整形外科)
・私は仕事を通じ、「患者・家族が、良質な意思決定をすることができる環境」を届けるプロでありたい(脳神経外科)
・私は仕事を通し、「地域とのつながり」を届けるプロでありたい(退院支援看護師)
患者さんやご家族にとって、主任である自分自身や自部署の看護師がどのような存在であってほしいのか、それが上記に表れているような気がします。
私たちが行う看護には必ず国際的なエビデンス(根拠)があり、ある程度標準化されてはいますが、マニュアルのその先、エビデンスの向こうにある、「自分は何を提供したいのか」、「何を一番大切にしたいのか」ということがとても大切だと、今回改めて感じました。
それぞれのプロフェッショナリズムを垣間見ることができるこの質問を、他のスタッフや師長、医師やコメディカル、診療看護師の皆さんにもしてみたいとひそかに思っています。もし聞く機会があれば、また皆さんにお届けしますね!
看護部主任会
*参考文献:村山 昇「働き方の哲学」、ディスカヴァージャパン