みなさん、こんにちは。
今回は6月4日から5日間の日程で開催されました、トマスジェファーソン大学病院での研修参加の報告です。
東京ベイ・浦安市川医療センターは、地域医療振興協会(JADECOM)という公益社団法人に所属しています。
JADECOMでは毎年、協会職員の研修制度充実の一環として、海外の医療制度や医療現場を知るため、そして国際的な人材育成のために、医師や看護師、事務の方も含めて海外研修を行っています。
看護師は、アメリカはペンシルベニア州フィラデルフィアにある、トマスジェファーソン大学病院での研修に参加することができます。
研修は主に管理職向けですが、現場を実際にみて、看護管理者の方々とディスカッションして、アメリカの看護の現場と現状や課題について伺い、お互いの文化、立場を尊重しながら、抱えている課題、今後の看護についてなどを話しあってきました。
特筆すべきは、トマスジェファーソン大学はマグネットホスピタルという、質の高い看護サービスを提供している病院を認定するプログラム認定を受けていて、今年3回目の更新をしたことです。
全米でたった100施設しか認可を受けていない、看護が評価される認定プログラムです。
看護職員を引きつけて離さないマグネットのように魅力的な病院として認定されるためには、とても高い認定基準を満たす必要があり、更新するたびに次の認定基準が高くなります。
患者の満足度だけでなく、根拠に基づいた看護がどれだけ患者に提供されているか、看護職員の満足度も含めて調査され、本当に認められた病院だけが認定を受けることができるのです。
トマスジェファーソン大学は9つの大学と4つの専門学校で構成されていますが、これだけ大規模な病院で看護職員も何千人といる中で、看護の質を高く保ち続けるには、どんなコツがあるのか、看護部長たちに聞いてみました。
ポイントは、「いかにモチベーションをあげるか。」
マグネットホスピタルの認定をとることは、自分たちの看護が評価されていることであり、スタッフのモチベーションがあがり、ケアの質の向上が図れます。
柔軟な勤務体制、修士・博士修了生への給与アップ、役職の付与もモチベーションアップの秘訣だそうです。
そのためには、スタッフひとりひとりが、どんなナースになりたいか、
どんなキャリアアップをしたいかを明確にすることが第一で、
そのキャリア形成のサポートを病院がする、
そのために研修を充実させたり、賞を贈ったり、給与に反映したりしているそうです。
もちろん、日本とアメリカでは医療制度が異なるので、看護師の配置数も違います。アメリカのいいところだけはできないですが、
「スタッフのモチベーションアップのためになにができるか」
というのは同じ課題なのだなと思いました。
専門家としてのキャリアアップの一環として、認定看護師や専門看護師、診療看護師になること、とトマスジェファーソン大学の看護部長たちは言っていましたが、当センターでも様々な分野のスペシャリスト看護師が活躍をしています。
日々ともに看護を考えて、お互いに刺激を受けることも多く、当センターの環境はモチベーションアップ、キャリアアップにつながっているのではないかと実感しました。
海外での学びを日本でどうやって生かしていくかを考えながら働ける環境は、なかなかない環境なのではないかなと思います。
経験をさせてもらったことをしっかりとスタッフと共有して、もっと働きやすい職場を作っていこうと決意を新たにしました。