今回は、当病院で行っている看護師特定行為研修(JADECOM―NDC研修)についてご紹介したいと思います。
当センターが所属する公益社団法人地域医療振興協会では、「医療の提供がままならない山間へき地過疎地における医療の提供」を促進するために、JADECOM―NDC(Nursing Designated Care)研修を行っており、現在2期生6名が研修中です。
看護師特定行為研修とは、医師の診療の補助として、38種類のケア(医行為の一部を看護師が担うことを含んでいます)を安全に実施できるようにするために設けられた研修制度です。この38種類のケアは、医学の視点と看護の視点を組み合わせ、より良い患者ケアを提供できるように考えられています。
私達看護師は、臨床でいろいろなジレンマを経験することがあります。医師が手術中や外来中などで、患者の状態にあわせた対応がすぐにできない場合があります。「この行為を私たちが行えれば、患者を待たせなくてもいいのに・・・」や「このタイミングでこの行為をできれば、患者にとってとてもいいのに・・・」と考えることありますが、これまで私達がそれらの行為を行うことはできなかったのです。
患者にとっての最善のタイミングを考えたとき、医師の診療の補助という範疇で行えることができれば、それは患者にとって一番良いケアにつながるのではないかと考えられるわけです。
もちろん、私達看護師は医師ではありませんし、医師になろうとしているわけではありません。私たちは看護を生業に生涯学習していく職業人であり、医師に比べると医学の学習は遥かに浅い内容です。38種類のケアを行うためには、看護の視点を持ちながらも、医学の知識と技術を追加学習していく必要があるのです。
看護師特定行為研修は、38種類の一部医行為を含んだケアについて、安全にケアを提供できるように医学知識と技術を学習する研修です。
地域医療振興協会の理念でもある「いつでも どこでも だれにでも」標準的な医療を提供できることを目指す医師を支援し、医師の事前の指示の下で医行為を実践する看護師の育成を行い、これからも地域医療に貢献したいと思っています。
~NDC研修担当者~