皆さんこんにちは。5階南病棟(脳神経外科)です。
「リアリティ・オリエンテーション」という言葉をご存知でしょうか。
医療や介護、福祉にかかわるお仕事をされている方はよくご存じだと思います。日本語で言うと「現実見当識訓練」といいます。
もともとはアメリカの病院で、戦争の後遺症で脳に損傷を受けた軍人さんに用いられた療法で、現在は認知症を改善するリハビリテーションとしてよく知られています。
認知症の患者さんは、今日が何月何日なのか、今いる場所や自分の置かれている状況はどんなものなのか(見当識といいます)が分からなくなる症状が起こりやすくなります。リアリティ・オリエンテーションには2種類あり、日常生活の基本的なコミュニケーションの中で行うものを24時間リアリティ・オリエンテーションといいます。
病院全体にも認知症の患者さんはたくさん入院していらっしゃいますが、脳神経外科では認知症とは別に、脳の実質に損傷を受けて見当識や意識に障害を持ちリハビリをがんばっておられる患者さんがたくさんいらっしゃいます。
もちろん皆さんリハビリでも十分に訓練をされていますが、リハビリの時間以外の日常の方がずいぶん長いのです。
病院の中でも日にちはもちろんのこと、季節を感じてもらいたい!そんな気持ちで病棟に季節の飾りつけを行っています。
もちろん見当識に障害のもない方にも飾りで季節を感じて少し気分転換をしてもらいたい、そんな脳外ナースの願いが込められています。
今月はクリスマス!飾りつけは月ごとに当番が決まっています。センスが問われます。笑
リアリティ・オリエンテーションはもちろん飾りやカレンダーだけではなく、日々の何気ない会話の中にもふんだんに取り入れられています。
その患者さんがなぜ入院しているのか、いつ手術をしたのか、入院してどれくらい経つのか、日々の会話の中でさりげなくお知らせし、入院や手術などの予想外の出来事による混乱がストレスにならないように、少しでも安心して治療を受けることができるような環境を整えていきたいと思っています。
ご家族にもご協力いただいて、なじみの時計やカレンダー、ご家族の写真や音楽、ラジオなどを持ってきていただく場合も多いのですが、その私物についてのエピソードを患者さんから聞くのも、実は私たちナースのひそかな楽しみです☆
簡単そうにも聞こえますが、日常生活の中の基本的なコミュニケーションの中で上手に取り入れるのはちょっとしたコツが必要です。安心して治療を受けてもらえるように日々精進していきたいと思います!
~脳神経外科病棟 看護師~