カールストルツ社から心臓手術に使用できる4K内視鏡が初めて発売され、2018年1月某日に東京ベイ・浦安市川医療センターにて、世界で初めて同内視鏡を用いた内視鏡下心臓手術を行いました。4K内視鏡は、これまでの内視鏡よりもさらに高画質で、心臓の細部を鮮やかに映し出します。重症の僧帽弁閉鎖不全症(逆流症)に対して僧帽弁形成術を行い、術後は僧帽弁逆流が消失しました。東京ベイのMICS(ミックス手術)は胸骨を切らず、3-5cmの創で肋骨を広げることなく行う低侵襲手術であり、患者さんは術後4日目に自宅退院となりました。低侵襲度、弁形成の質、回復のスピード、いずれもロボット手術に負けません。
本症例は両方の弁尖が壊れており(両尖逸脱)、自分の弁を残す形成術が容易でない病変でしたが、東京ベイでは複雑な僧帽弁逆流も内視鏡下手術で弁形成術を施行し、自分の弁を残して逆流を止めています。他院で人工弁が必要と言われたり、胸骨を切る必要があると言われた場合は、ぜひ当センターにご相談ください。
心臓血管外科