重症患者の病院間救急搬送〜人と技術で支える東京ベイ臨床工学室〜

2012年に東京ベイが開院してから早いもので丸7年が経ちました。当初、臨床工学士は、スタッフ数7名で血液浄化、心血管カテーテル室、機器管理業務の3部門でスタートしました。そして翌年から心臓血管外科が開設し、また今年からは内視鏡業務も加わり、5部門での業務を行なっています。これに合わせスタッフ数も現在18名まで増員しています。

このように年々各分野で業務内容や幅が広がりつつある中、年間に数回しかない業務というものもあります。
それは患者さんの搬送です。搬送といっても院内搬送ではなく、院外での搬送‥?そう、救急車での病院間搬送に同乗する事です。
とはいえ、全ての救急車に同乗している訳ではありません。重症患者さん、特に補助循環装置や人工呼吸器など生命に直結している装置を使用している場合です。

手術や治療が必要な患者さんをお迎えに行く場合、バイタルサイン、薬剤の種類や使用量や必要な機器類など、できるだけ詳細な情報をもらって状態を把握します。また車中で患者さんの急変やトラブルなど、起こり得る問題を想定して対策を考え必要なものを準備していきます。
反対に、補助循環装置などが付いた重症患者さんを他院に送る場合も車中でのトラブルに対応できるように薬剤、機器類を積み込み出発します。

走行する救急車は、揺れる狭い空間、少ないスタッフ数や限られた材料や機材しかありません。
病院内とは全く違った環境で、“安全に運ぶ”という当たり前な事ですが、状況に応じた判断力や対応力が必要となり、大仕事のような気がします。血圧は変わりないか?心電図変化はないか?薬剤は正確に投与されているか?装置は正常に動いているか?時には患者さんに声を掛けたりなど、様々な事を確認しながら目的地へ向かっています。

年間に数回、決まったマニュアルなどはありませんが、これも私たち臨床工学技士の業務の一つです。

◆ 東京ベイ・浦安市川医療センター  臨床工学室

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