当センターの臨床工学技士(ME)業務は、血液浄化業務・手術室業務・心臓カテーテル業務・機器管理業務と幅広く業務を行っています。2019年度は総勢17名で各専門分野での役割を担っています。
近年、疾病の早期発見と早期措置、適切な医療と合併症対策周術期管理の観点から、低侵襲である軟性内視鏡を用いた検査・治療が多くの施設、様々な診療科にて積極的に実施されています。それに伴い内視鏡の介助は通常検査のみならず、色素散布、生検、止血術、腫瘍の切除など多様となっており高度な手技において、臨床工学技士による内視鏡技術支援が現場で求められてきています。
MEの内視鏡分野への挑戦
当センターでも消化器内科部長である本村医師からの要望もあり、今年度より1名の臨床工学技士が内視鏡室に配属され、新たな業務への挑戦が始まりました。当センターの内視鏡室では年間約8,000件の症例があり、内訳は上部内視鏡検査が約4,700件、下部内視鏡検査は約2,600件です。治療ベッドは透視室を含め4台稼働しており、医師と看護師と共に治療にあたっています。
主な治療としては
- 内視鏡的粘膜切除術EMR・ポリペクトミー(食道・胃・十二指腸・大腸)
- 内視鏡的粘膜下層剥離術ESD(食道・胃・十二指腸・大腸)
- 内視鏡的逆行性胆管膵管造影ERCP(結石除去術・ドレナージ・ステント留置術)
- 食道胃静脈瘤に対する内視鏡治療EVL・EIS
- 内視鏡的止血術・狭窄拡張術・異物摘出術
- 超音波内視鏡(EUS・EUS-FNA)
- 小腸内視鏡
など様々な治療を行っています。

臨床工学技士が扱う内視鏡関連機器
当センターの臨床工学技士が扱う内視鏡関連機器は、内視鏡システム(画像モニタ・システムプロセッサ・光源装置・CO2送気装置など)を中心に、検査や治療症例に最適な仕様で選択的に接続される軟性内視鏡(ビデオスコープ)またはファイバースコープ、超音波画像診断装置、画像記録装置(ファイリングシステム)をはじめとした画像診断記録機器に加え、内視鏡治療には不可欠な電気手術器(電気メス)、アルゴンプラズマ凝固装置(APC)、使用後のビデオスコープの再生処理のために導入されている洗浄消毒装置など、内視鏡を取り巻く環境は様々な機器で成り立っています。臨床工学技士はこれらの機器の点検や内視鏡検査・治療領域における内視鏡技術支援を積極的挑戦して行きたいと思います。