こんにちは、臨床検査室です。前回、臨床検査技師が行っている検体検査について記載しました(前回 2017.08.23掲載)が、今回は直接患者さんと接して行う生理機能検査についてご紹介させていただきます。 まず、生理検査室は当センター1階の最も奥まった場所にあります。詳細は院内の案内図もしくは是非スタッフまでお問い合わせ下さい。
2020年2月25日 北側入口 閉鎖中
さて、ご興味をもってこの記事を開いて下さった皆様はもしかしたらご存知かもしれません。心電図検査という検査を受けたことはありませんか?生理機能検査とは、この心電図検査をはじめとした人間ドックなどで受ける超音波検査や肺活量の検査など、直接患者さんの身体に触れる検査が中心です。患者さんの身体の状態を、ほとんど非侵襲的(針を刺したり、被曝することなく)に把握し、適正な診療を受けるために必要不可欠な情報を得る大事な検査です。正確・迅速な結果報告を提供することで、患者さんが安心してその後の治療やその他の検査を受けて頂けるようスタッフ一同、日々精進しております。
○生理機能検査は大きく分けると以下の4つがあります。
循環機能検査
呼吸機能検査
超音波検査
神経機能検査
これらについて具体的に検査の内容をご紹介させていただきます。
1. 循環機能検査
循環機能とは心臓の働きのことで、心臓が全身に血液を送り、また心臓に戻ってくるまでの連続した動きを調べる検査です。心臓から発生している小さな電気が心臓の筋肉を動かしています。この発生した電気を体の表面から測定し、波形にして記録したものが心電図です。この電極は心臓の動きを電気的に記録するためのもので、電極から患者さんへ電気が流れたりすることはありませんので安心してください。
心筋梗塞、狭心症、不整脈、心肥大などの発見に役立ち、それらを詳しく調べる検査には心エコー図があります。また、心臓の働きは血圧や脈拍にも影響を与えるため,動脈硬化を調べる血圧脈波の検査もしています。この他に、より精密な検査として負荷心電図や24時間ホルター心電図、運動負荷心エコー図、経食道心エコー図などの検査も行っています。
2. 呼吸機能検査
私達は呼吸によって口や鼻から空気を取り込み、気管を通じて肺まで送り込み、そこから酸素は血液へ送られ、同時に、不要な二酸化炭素は体外に出されます。その肺の容量を調べるのが肺活量検査であり、肺の機能を調べるために特殊なガスを使った拡散機能検査なども行います。これらの検査は患者さんの努力次第によって結果が大きく変わってきます。
皆さん、COPDという言葉を聞いたことはありませんか?COPDの原因の1つはタバコです。有害物質を長い期間吸入することで肺の機能が低下して生じます。これまでは慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気のことで、中高年に発症する生活習慣病の一つです。気になる方は人間ドック等でも調べることが可能です。
3. 超音波(エコー)検査
超音波は人間の耳には聞こえない高い周波数の音で、これを利用して内臓などの大きさや形、内部の構造を画像として映し出す検査が超音波検査です。超音波検査は放射線被曝もなく、妊婦さんにも使用できる安全性の高い検査です。骨や空気は超音波が反射したり通らなかったりするため、肺や脳などは検査対象から外れますが上腹部から下腹部などの広範囲、消化管や乳腺・甲状腺などの体表に近い部位を見ることができる便利な検査です。血管の血流評価なども超音波を使って調べることができます。検査する部位によっては食事の影響や尿が溜まっていないと映せないことがあるため、検査前の注意事項説明をよく理解しておいてくださいね。
4. 神経機能検査
脳の神経細胞や体の筋肉の細胞は常に小さな電気を発生しています。脳波検査は心電図のように頭部表面に電極を取り付け、脳の発する電気を記録する検査です。(脳波も発生した電気を記録しているだけで患者さんに電気が流れることはありません) 一般的に、てんかんなどの発作性意識障害の鑑別、脳腫瘍や脳梗塞・脳出血などの脳血管障害、頭部外傷などで中枢神経系の異常を疑う場合、薬物等による中毒やそれらに伴う意識障害の時などにこの検査をします。
筋肉や神経に異常がないか、筋肉が収縮する時や神経を電気で刺激した時の信号の伝わり方を記録する検査が筋電図検査です。患者さん自身で筋肉を収縮してもらったり、神経に電気的刺激をしたりすることにより、神経や筋肉に生じる電気的活動を記録します。この記録を評価することにより、神経や筋肉に疾患があるかを調べます。
患者さんが安心して検査を受けられるよう臨床検査技師がご案内します!分からないことがあれば是非気軽にお声かけ下さい!皆様の身体の状態を詳しくお調べするため、生理検査室でお待ちしております。
◆ 東京ベイ・浦安市川医療センター 臨床検査室
◆ [東京ベイweb通信より] 東京ベイ臨床検査室の窓から 〜患者さんの血液や尿、組織が採取された後〜