みなさん、こんにちは。
秋の気配を感じる季節となってきましたね。
診療看護師研修中の野呂です。
今回は、私が参加している総合内科研修についてご紹介します。
当センターの診療看護師研修は3か月ごとのローテーションで2年間カリキュラムです。
私の研修ローテーション表(一般NPプログラム) | ||||
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1年目 | 総合内科 | 腎臓内科 | 救急外来 | 総合内科 |
2年目 | 集中治療室 | 総合内科 | 総合内科 | 救急外来 |
内科の研修は基本的に2種類あります。1つは総合内科のチームで、チームの指導医の管理下で直接患者さんを受け持つ研修、もう1つは、病棟専属の診療看護師として病棟全体の流れを把握し、問題に介入していく研修です。
さて、ここから病棟専属の診療看護師の活動を紹介します。
実際に勤務をしてみると、入院患者さんの主治医を始め、様々な職種の方々と日々関わります。
そこでは専門職としてのスキルだけでなく、コミュニケーションスキルや、広い視野で客観的に物事を考える姿勢、協調性を意識して業務を行うことなどが必要不可欠であると実感しています。
では実際に病棟ではどのような職種と連携して業務を行い、患者さんのケアを行っているかを紹介します。
また日頃一緒に働いているスタッフから診療看護師に期待すること、我々のいるメリットについて意見をもらったので紹介します。
①病棟長(医師) × 診療看護師

患者さんのアセスメントや一部の診察、処置等を病棟長の指導のもと行っています。
いつも近くでリアルタイムに指導を受けられるため、わからないことが山積みにならず日々着実に知識が蓄積されています。
また、看護師としての視点を医師と共有できるのも一緒に行動する利点だと思います。
医師と看護師、着目する視点が違うからこそ、お互いの意見を聞きながら総合的に患者さんや病棟の問題に取り組むことができ、とても効果的な介入ができていると思います。
②病棟師長・主任 × 診療看護師
病棟での問題提示や情報の共有、またスタッフ教育の方法などを主にディスカッションしています。
研修の目的の一つに“スタッフ教育”があり、週に2回短い時間ですがレクチャーを行っています。
看護師スタッフの知識の底上げができるよう、師長さんや主任さんと、何を・いつ・どのように伝えるかを話し合いながら実践します。
③主治医 × 診療看護師

患者さんの治療方針や退院方法などについて、主治医チームに確認し、看護師や病棟師長と情報共有をしています。
また、患者さんからの個別の要望や、新しい主訴があった際には自分でも評価をし、主治医チームと連携してフレキシブルに対応しています。
常に病棟にいるので、新しい変化に気付きやすい点が病棟専属の診療看護師の利点であると感じてます。
【診療看護師に期待すること・メリット】
“看護師と医師の架け橋になる”
“チームのコミュニケーションが良くなる”
“必要なケアがタイムリーに行える”
“医師が来るまでの急変対応で活躍する”
“スタッフ教育を行う事で病棟全体のレベルアップに貢献できる”
④認知症認定看護師 × 診療看護師
内科病棟は高齢者の患者さんが大多数を占め、さらに認知症の患者さんも少なくありません。
病棟には認知症認定看護師がいて、週に1回一緒に認知症ラウンドを行っています。
認知症の評価を始め、基本的な環境の整備や、食事が摂取できているかなど一緒にディスカッションしています。
最近の経験をひとつ。
1人ではごはんを食べない認知症患者さんがいました。
私達がたどりついた解決策は、ご家族のご協力でした。
ご家族と一緒に食事をしてもらうことでごはんを食べるようになりました。
このように患者さんの周辺環境を整えることって大切ですね。
【診療看護師に期待すること・メリット】
“気軽に相談できる相手”として存在してくれるだけで心強い
“看護師のキャリア継続・キャリアアップにつながる”
“看護師としての看護師像を考えるきっかけとなる存在”/p>
⑤退院支援看護師 × 診療看護師
入院した患者さんの中には入院前の生活にすぐには戻れず、他の施設へ転院される方もいます。
そのような可能性が予測される場合には、患者さんやご家族と早い段階からコンタクトを取ります。
私たち診療看護師が目指すのは、患者さんが入院されたら、指導医と一緒に治療方針を立て、入院前の生活に戻れるかどうかを評価し、いつ、どのように退院するかについて検討することです。
入院したその日から退院支援は始まるのだ!という気持ちで、入院した患者さんが退院後もその方らしく生活していけるようお手伝いができればいいなと考えています。
⑥呼吸療法認定士 × 診療看護師
病棟の呼吸管理が必要な患者さんに関して一緒にディスカッションを行い、主治医チームと共に治療方針の決定を行う、また管理に関して病棟ナースへの教育を行っています。
ICU・HCUといった集中治療が必要な病棟から、一般病棟に移動になる際も注意が必要な患者さんの情報を事前にもらい、管理について看護師にも教育を行うなどして、管理する人間が変わっても一貫したケアが行えるよう努めています。
自身も呼吸管理に関して、迷った際には相談することが多く、一緒に患者さんに関わることで学ぶことが多くとても勉強になります。
【診療看護師に期待すること・メリット】
“患者さんのことをよく把握してくれている”
“不要になった管類を早々に抜いてくれる”
“状態が悪化していると予測される患者さんの相談に乗る、早期対応をしてもらえる”

看護師+αを活かして“医療界のマルチプレイヤー”を目指す
患者さんの早期回復・早期退院を目指して、たくさんのスタッフが多方面からアプローチする中で、私たち診療看護師は何ができるだろうかと日々考えています。診療看護師だからできること、看護師+αの私たちだからできることがきっとあると感じています。様々な職種のスタッフとコミュニケーションを図り同じ目標に向かって進んでいくためには、アクセスがしやすい関係性を築くこと、具体的には話しかけやすい・聞きやすい人間関係を構築すること、そしてタイムリーな情報でフレキシブルに動くこと、1つの情報をみんなで共有し、より良い医療提供につなげること、状況を客観的に判断し、その瞬間に必要なことは何なのか瞬時に判断し行動すること、が私たちには求められるのではないかと思います。
私たちに期待されていることを実践に移し、positiveな効果として結果が出せるよう、そして必要な時に瞬時に手を差し伸べられる“医療界のマルチプレイヤー”を目指して今後もモチベーション高く精進していきたいと考えています。

文責 野呂 美香/Mika Noro
【最近のマイルール】
・餃子を酢+コショウで食す。
【ひとこと】
引き続きユーモアあふれる診療看護師の活動をご紹介していきます。
よろしくお願いします。