“猫の手も借りたい!それが集中治療室!” 〜タイムリーな処置を行うために診療看護師が心がけていること〜

患者さん「すみません、この点滴の管、ちょっと痛くて・・・抜いてもらえませんか?」
看護師 「そうですね。ただ、管を抜けるのは医師だけなんです。申し訳ありませんが、今、医師は他の患者さんの対応中です。もう少しお待ちくださいね。」

患者さん「まだですか?」
看護師 「ごめんなさいねー、もう少しですよ。頑張りましょう。」
患者さん (もう少しって??・・・痛い・・・)

このような場面で、『すぐに対応してもらえたらいいのになあ。』と思ったことはありませんか?
そんな皆さんの思いに応えることができるのが、診療看護師です。

集中治療室は、とても慌ただしい部署です。
朝は医師やスタッフで行うチーム回診、看護師の勤務交代の申し送りに始まり、その後は夜中まで手術後の患者さんや緊急入院される患者さんを次々に受け入れ、時として急変した患者さんの対応も行います。
そしてその合間には、さまざまな処置や検査がめまぐるしく行われていくのです。

集中治療室の患者さんは重症です。
その体には、治療に必要なたくさんの医療機器が装着されています。
血液循環を維持するための補助装置や呼吸を助けるための人工呼吸器、血圧を持続的に測定するために血管につながれた管や、何本もの点滴・・・。
そんな患者さんを検査室に移動する場合には、一般病棟の患者さんとは異なる注意と工夫、多くの人員と時間が必要です。
その他にも、患者さんの安全を優先するため、人手と時間が常にかけられています。

この間、医師や看護師は安全第一で処置の優先順位を決めていきます。
その結果、危険が低い管の抜去に、待ち時間が発生することがあります。
その一方で、たとえリスクが低くても、すぐに対応してもらえない状況は患者さんにとって身体的にも精神的にもストレスがかかります。

このように、猫の手も借りたい状況の中では、医師の代わりに対応できる診療看護師は、有力な解決策になります。
診療看護師は、普通の看護師ではできない中心静脈カテーテルやドレーンの抜去、PICC(末梢静脈挿入式中心静脈カテーテル)の挿入、橈骨動脈ラインの確保などを行うことができるからです。

「不要になった管を抜いて欲しい、必要な管を早く入れて欲しい。けれど医師にすぐに対応してもらえない・・・。」
多忙な医師を待つことなく適切な処置を行うことは(もちろん処置を行う前には十分に患者さんの状態を評価します)、患者さんの苦痛の緩和だけでなく早期回復にもつながると考えています。

また実は、医師を待つ状況というのは、看護師にもストレスがかかります。
患者さんの苦痛をすぐにとってあげたいのに・・・。
そんな思いで悶々と医師を待つ、それはそれは嫌な時間です。
そんなとき私たち診療看護師がまず対応することで、看護師のストレスも軽減でき、円滑な業務につなげます。

私たち診療看護師は、患者さんやスタッフから必要とされたときに、常にタイムリーに応えることを心がけています。
「猫の手も借りたい!」
そんなとき私たちは“動ける猫”になって頑張るのです。

<今回の記事担当>
島田 由美子
診療看護師 5年目 所属 集中治療科
【趣味】
旅行(47都道府県すべてを制覇することが目標です。)
【なぜ診療看護師を目指したか】
スキルアップをすることで、目の前の患者さんに対して自分自身ができることを増やすことができるのではないかと思ったからです。

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