重症患者さんの画像検査を迅速かつ安全に!〜ハートチームにおける放射線技師と集中治療医師、看護師の連携〜

東京ベイ・浦安市川医療センター放射線室の放射線技師です。私たちが所属している放射線室では、来院された又は入院している様々な患者さんを対象に検査を行っています。今回は、最も重症度の高いICU・CCUに入院している患者さんのMRI検査に関してお話ししたいと思います。

ICU・CCUに入院している患者さんは、人工呼吸器などの医療機器を身に付けていることが多いため検査開始から終了までの時間をできるだけ短くする必要があります。そのために、準備にかかる時間や検査室が空くタイミングなどを医師や看護師と密に連絡をとりながら検査の時間を決めています。

緊急の検査なので時間が決定したらすぐに検査開始!!と行きたいところですが、MRIは・・・そう!強力な磁石のかたまりです。金属(磁石につくもの)を持ち込んでしまうと装置に吸着してしまい大変危険です。人工呼吸器も病棟でMRI対応型に変えてからMRI検査室に来ます。

入室前に金属確認!
この時大切なのが医師や看護師からの申し送りです。ペースメーカなど体の中に金属がないか、入れ歯やモニターなど取り外しができる金属類が身に付いていないか必ず確認を行います。

確認を終えたら次に移動!
病棟で使用しているベッドはMRI検査室に入れないため、専用のストレッチャーに移乗(いじょう)をしなければなりません。その際、点滴類が抜けてしまわないように頭側に医師や看護師がつき、掛け声のもと患者さんの移乗を行います。このポジションをとることで患者さんを取り囲むように観察でき安全に移乗が行えます。

いよいよ、MRI検査室開始!
MRI検査は撮影時間が長いので、少しの変化も見逃さないように患者さんの状態を確認しながら撮影しています。もし、患者さんが動いてしまうことや状態に変化があれば付き添いの医師がすぐに対応してくれます。

このようにMRI検査に関して理解している集中治療医や看護師と連携を図ることで、金属類を持ち込む危険もなく重症度の高い患者さんでも安全に検査を行うことができます。また、患者さんの状態が急変した場合にはすぐ対応してもらえるので、私たちは検査に集中し医師が診断に必要な画像を提供することができます。

ハートチームシンフォニー 放射線技師 × 集中治療医師 / 看護師

安全かつ適切な治療を行うためにもCT等の検査は欠かせません。集中治療を必要とする方の検査を行う上で、多くの点滴類や循環管理装置を装着している場合もあり、リスクは極めて高い状態でもあります。心臓病で入院されている患者さん、特に集中管理を要する患者さんの場合では、放射線検査を行う際も医師や看護師との連携が欠かせません。綿密な情報共有と連携があってこそ迅速な治療に結び付けられる、当センターハートチームでは治療はもちろんのこと、検査も含めて連携を大事にしていきます。

ハートチームWEB担当 石川凌馬 (リハビリテーション室 理学療法士) 

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