皆さんこんにちは!ICU・CCU看護師です(星と申します)。今日は集中治療室と3階南病棟(心臓血管外科・循環器内科)を行き来する患者さんに関しての申し送り風景をご紹介したいと思います。
はじめに、予定手術の患者さんが術後にICU・CCUへ入室する時の申し送り内容をご紹介します。手術当日、患者さんが手術室に入室した後、3階病棟看護師からICU・CCU看護師が申し送りを受けます。申し送り内容は①既往歴、薬歴②予定術式③持参の物品④術前の患者や家族の様子に関しての情報です。この申し送りにより、カルテ上の情報収集のみでは把握しきれないような情報を得ることができます。私達ICU・CCU看護師は術後に初めて患者さんやご家族にお逢いするため、この病棟看護師からの申し送りにより術後、より一層個別性のある看護を提供する事が出来ます。
次にICU・CCUから3階南病棟へ引き継ぐ時の申し送りについてご紹介します。当センターは病棟看護師がICU・CCUへ患者さんを迎えにくるスタイルとなっています。病棟看護師への申し送り内容は①行われた術式②術中の特記事項:輸血の有無、バランス、合併症の有無など③バイタルサインズや使用薬剤④術後バランス、体重変動⑤疼痛コントロール⑥リハビリ・経口摂取の進行状況⑦最終の挿入物⑧家族の様子⑨要観察や重点的に行う必要のある看護計画について⑩精神状態:せん妄、不眠、不安の訴えなど多項目にわたる情報を簡潔に申し送ります。
特に心臓病や血管病の手術後は循環動態に加え、体液バランスが重要になります。手術に伴うプラスバランス、術後侵襲による尿量減少やAKI:急性腎機能障害を合併する場合もあります。十分な尿量が得られないことや、生体侵襲による利尿期によるうっ血を来し呼吸不全を合併するリスクもあります。また利尿促進のために利尿剤を使用する事があり、電解質バランスの変調から不整脈が誘発される可能性もあります。その為、術後バランスと退室日の1日のバランス表を印刷し申し送ります。また、毎日のリハビリ時に体重測定を必ず行うため測定値も申し送ります。
入院から退院まで一貫した継続看護が提供出来るよう、私たち看護師は病棟間でのコミュニケーションを大切にしています。心疾患発症後や心臓手術後の場合だと病棟でも急変リスクは高いですが、循環器疾患に対して専門性の高い3階病棟看護師と情報共有して引き継ぎを行い、安心した病棟生活を送れるよう工夫しています。これからも患者さんや家族が安心・安全に治療が受けられるよう、簡潔・明瞭・個別性のある申し送りを実践していきます!!
ハートチームシンフォニー〜ICU看護師×3階病棟看護師編〜
ICUから病棟へ移る際、患者さんからみれば治療だけでなく生活環境も大きく変わります。入院中に患者さんが安心した生活を送れるようになるためには、病棟看護師同士での情報(治療内容や生活環境)交換が特に重要となってきます。病棟生活は普段の生活と大きく異なります。患者さんにとって安心した病棟生活が送れるよう、そして円滑な治療が行えるようサポートしていくことが出来るよう、看護師間でより徹底して取り組んでいます。