迅速に、詳細に、正確に ~心臓手術における生理検査室の役割~

こんにちは、臨床検査技師の吉良です。臨床検査技師(以下検査技師)とは、その名の通り、検査を専門に行う医療技術者のことです(ちなみにレントゲンやCTは放射線技師という人たちのお仕事です)。検査技師の行っている検査は大きく分けて二つあります。検体検査と呼ばれる患者さんから採取した血液・尿を含む体液や組織・細胞などを調べる検査と、生理検査と呼ばれる体の機能を直接的に調べる検査があります。生理検査とはつまり、私たち検査技師が患者さんたちと直接顔を合わせて行う検査のことです。

今回は検査技師の中でも、“生理検査”と呼ばれる部門で働く私たちが、心臓の手術をする際にどのような検査を行い、手術を行う心臓血管外科の医師たちとどのように連携しているかということについてお話ししようと思います。

心臓の手術をする前に〜検査技師と心臓血管外科医のチームワーク〜

当院では心臓の手術が必要になった場合、手術を行う心臓血管外科の医師のみでなく、ハートチーム全体で治療にのぞみます。そして私たち検査技師は、手術に必要な検査結果をできるだけ迅速に、かつ、正確にチームに報告する必要があります。
生理検査室で行う手術に必要な検査は、心エコー図検査、血管エコー検査、呼吸機能検査、血圧脈波検査などたくさんあります。

心エコー図検査ではエコーで心臓の大きさや機能、弁の状態を評価します。弁膜症と呼ばれる疾患の場合、どのくらい重症なのか、また心臓の機能にどのくらい影響が出ているのかを正しくエコーで評価することは、手術の適応や、手術方針を決定するうえでとても重要なことです。手術前後のエコー検査では、通常の検査報告書に加えて、心臓血管外科の医師たちが必要とする内容、例えば、弁の逆流の定量的評価や人工弁の機能評価などを、エコーを専門とする循環器内科の医師たちとも相談しながら、できるだけ詳細に報告書に記載するように心がけています。

狭心症のような虚血性心疾患の患者さんに行われる冠動脈バイパス手術の術前には、バイパスをするために必要な血管を評価するエコー検査を行っています。複数あるバイパスの候補血管がそれぞれ手術に適切な太さなのか、血管の性状は悪くないか、血流は十分に保たれているのか、などをエコーで確認します。検査の結果が手術方針に影響があると思われた場合、ただちに担当医師に電話連絡し、必要に応じてその場で追加の検査を行うこともあります。

また、呼吸機能検査は手術の際に麻酔をするうえで必要な検査です。そしてこの検査では正しい呼吸機能を計測するために、患者さんには強い呼吸や勢いをつけた呼吸を最大努力でお願いしなければなりません。そのため、検査中に胸部症状が出ることが予想されたり、現在症状が出現している場合はすぐに担当医師に連絡し、検査の延期や検査内容の変更などを相談して、安全に術前の検査が行われるように気を付けています。

このように私たちは手術を行う心臓血管外科の医師たちが必要とする情報を少しでも早く正確に報告するために医師たちと細かく連絡をとりながら、検査を行っています。

検査技師は普段手術室の中に行くことはありませんが、手術がスムーズで安全に行われるように、ハートチームの一員として自分たちの役割を果たすべく日々努力しています。

ハートチームシンフォニー〜検査技師と心臓血管外科医編〜

心臓手術を行う際、心臓血管外科医や麻酔科医にとって心臓機能や呼吸機能といった詳細な情報は極めて重要です。そうした情報を臨床検査技師が正確に測り、チーム全体で情報を共有していきます。当院における臨床検査技師と心臓血管医の連携の要は、お互いの信頼関係の強さであり、迅速で正確な検査実施、そしてお互いが情報共有できるのはそのためであると思います。ハートチームの実績は年々増加傾向にありますが、今後もこの信頼関係の強さが武器になってくると思っています。

ハートチームWEB担当 石川凌馬 (リハビリテーション室 理学療法士) 

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