循環器内科医と生理検査技師とのハートチームにおける連携

ハートチームって何のこと?

病院を受診した際、多くの科がありすぎて困ったことはありませんか?科が多くなればなるほど専門性は高くなりますが、それぞれが出来る医療は制限されてしまいます。一方、患者さん中心のより良い医療を提供するために科や職種の壁を越えて様々な心血管疾患の治療に当たるチームをハートチームと言います。当センターでは開院当初からハートチームを結成して診療に当たっています。

ハートチームでの循環器内科医師と生理検査技師との連携

生理検査と言われてもピンとこないかもしれませんが、心電図や心臓超音波検査(心エコー図検査)などがそれにあたります。当センターでは毎日多くの心血管疾患の患者さんが外来を受診しており、内服治療以外にもカテーテル治療や手術が行われています。その中で生理検査、とりわけ心エコー図検査はハートチームが心血管疾患の治療を行う上で必要不可欠です。また、循環器内科医師と生理検査技師の連携も重要であり、今回は心エコー図検査を例に当ハートチームにおける連携を説明しようと思います。

心エコー図検査は心血管疾患のなかでも、とくに心臓弁膜症の診療で欠かせない検査です。心臓弁膜症には逆流症や狭窄症があり、それぞれに適した治療があります。当センターの心エコー図検査は生理検査技師が中心となって行い、心臓弁膜症を含むすべての検査結果を常勤の心エコー専門の循環器内科医師(心エコー医)が読影しています。また、判断に困る症例ではその場で心エコー医に相談しながら検査を進めています。

さらに、通常の心エコー図検査とは別に、負荷心エコー図検査や経食道心エコー図検査を心エコー医と生理検査技師がチームになって施行しています。負荷心エコー図検査は医師の立ち合いで運動や薬物を用いて心臓の状態を変化させることで、弁膜症による症状や重症度など様々な情報を追加できる検査です。経食道心エコー図検査は胃カメラと同様に患者さんにプローブを飲み込んでもらい、心臓や弁の形態を詳細に評価する検査です。

これらの検査は経験豊富な心エコー医と生理検査技師により施行されているため今まで重篤な合併症が起きたことはありません。2017年度に我々は通常の心エコー図検査を約5000件、負荷心エコー図検査を約500件、経食道心エコー図検査を約1000件施行致しましたが、これらの検査結果をもとにハートチームで治療方針を決定しています。当センターハートチームにおいて、生理検査技師は循環器内科医師が信頼できるチームの一員であり、お互いが信頼しあうことで迅速な検査、正確な評価が可能であると考えています。

以上のように、我々はハートチームを通じて患者さんに最適な医療を提供できるように日々努めております。

◆ 東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター

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