心臓血管外科の周術期におけるリハビリテーションについて〜安全・安心な生活復帰、二次予防を目指して〜

みなさん、こんにちは。東京ベイ・浦安市川医療センター、リハビリテーション室の鎌田です。私たちは多種多様な疾患や障害、特徴のある患者さんのリハビリを担当しています。
今回は心臓血管外科の手術前後における心臓リハビリテーション(以下リハビリ)についてご紹介します。

〈心臓リハビリテーションの目的〉

心臓血管外科の手術前後におけるリハビリの目的は次の4つになります。
① せん妄や認知機能低下の予防
② 呼吸器合併症の予防
③ 歩行や日常生活動作の再獲得
④ 運動習慣や自己モニタリングの習得
この目的を達成するために、手術前後にリハビリを行います。

〈手術前〉

手術前には、リハビリ評価と手術後に向けた指導を行います。
術前評価は、安全で効果的な介入のために重要です。評価で得られた患者さんの機能・能力および生活背景を考慮し、術後の介入を行います。近年では高齢者の手術も多く、サルコペニア(筋肉が減少し、身体機能が低下した状態)や、フレイル(身体の予備能が低下した状態)を呈した患者さんが主な対象となり、個別の治療計画が必要な場合があります。

〈手術後〉

手術後は早期離床(座る・立つ・歩行練習)および呼吸練習(深呼吸や咳の練習)を中心とした早期リハビリを集中治療室から開始します。当院では、術後翌日よりリハビリを開始し、せん妄や呼吸器合併症、身体機能や日常生活動作の早期改善に努めています。

〈退院時指導〉

心臓リハビリは入院期間で終了ではありません。心疾患の再発予防に向けて、パンフレットを使用して退院時指導を行います。運動継続を目標に、適切な運動量やメニューの選択だけでなく、手術前の評価で得られた情報をもとに、生活背景を考慮した運動指導を行います。例えば、スーパーまでの買い物を徒歩に変えることで、日常生活の活動量を高めるだけでなく、運動継続に繋がります。

〈多職種連携〉

医師・診療看護師・看護師・栄養士・薬剤師、など多職種が連携し、チーム全員で患者さんのリハビリをサポートしています。
安全な離床・活動拡大を図るため、心臓血管外科の朝回診に同行し、術後患者さんの状態やリハビリの進行状況を多職種で共有し、目指すべきゴールなどを確認します。
特に、入院の日常生活を支えている看護師との連携が大切です。患者さんの循環動態・安静度・患者さんの特徴などを担当看護師と共有し、日頃より連携を心がけています。

参考・引用
日本循環器学会/日本心臓リハビリテーション学会合同ガイドライン
「2021年改訂版 心疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」

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