一人一人の心臓にあわせてオーダーメイドのリハビリを〜東京ベイACSチームから〜

みなさん、こんにちは。
東京ベイ・浦安市川医療センター、リハビリテーション室の石倉です。
私たちは多様な疾患の患者さんのリハビリテーションを超急性期~外来にわたり担当しています。今回は「急性冠症候群(以下:ACS)」後の心臓リハビリテーションについて、紹介したいと思います。

当院ではACS治療を積極的に行っています。そもそもACSとは、心臓に栄養を供給している冠動脈にプラークを起因とした血栓形成や閉塞を来たした状態を指します。いわゆる「心筋梗塞」や「不安定性狭心症」といわれる病態の広義語です。
このACSは心臓死を来す危険性が高く、早期に治療を行う必要があります。適応があれば、緊急で経皮的冠動脈インターベンション(PCI)治療を施行します。

治療後、心筋ダメージを示す採血データのピークアウトを確認し、医師の指示のもと段階的離床が開始となります。そこで活躍するのがリハビリテーションです。「症状がなくなったから動いても大丈夫!」というわけではありません。一度ダメージを負った心臓は組織が脆弱となっており、発症1週間が最も重篤な合併症を生じやすい時期といわれています。そのために、回復過程を考慮して活動範囲を拡大していく必要があります。

安全な離床・活動範囲の拡大を図っていくために、昨年から「ACSリハビリテーションプロトコル」を循環器内科医師と共同作成しそれに準じてリハビリテーション介入を行っています。
近年ACS患者さんの入院期間は短縮傾向にあり、当院でもおおよそ1週間程度の方がほとんどです。

運動負荷が一段階上がる100m歩行評価時には、歩行前後に12誘導心電図を施行し異常所見がないかを評価します。測定した心電図は必ず循環器内科担当医の確認後、安全に病棟の安静度を拡大することとしています。

リハビリテーションの進行・安静度遵守には病棟との連携も不可欠です。リハビリテーション後には、患者さんの循環動態・安静度を担当Nsへ適宜報告し、常に連携を取るように心がけています。また、循環器病棟を含めた全病棟Nsへ向けた勉強会も開催し、プロトコル周知に努めました。

心臓リハビリテーションは入院期間で終了ではありません。
退院後も安全に継続していただくことで、心疾患再発予防にもつながります。
そのため、退院前にはACS患者さん専用のパンフレットを用いて適切な運動療法について退院時指導をすべての患者さんに実施しております。

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