こんにちは。臨床工学技士の高畠です。
今回は当センターでも数多く行われているTAVI(経カテーテル的大動脈弁留置術)という手術の中で行われているチーム医療の様子を医療技術者の視点からご紹介したいと思います。
まずTAVI(transcatheter aortic valve implantation)とは、心臓以外の病気を抱えていたり、体力が低下したりしていて手術に耐えられないような大動脈弁狭窄症の患者さんに対する心臓カテーテル治療のことです。
TAVIに関して詳しく知りたい方はこちらからどうぞ→https://tokyobay-mc.jp/tavi/
TAVIの治療中は主に放射線技師と臨床工学技士、2職種の医療技術者が活躍しています。
放射線技師の役割
はじめに放射線技師の役割です。術中、医師は患者さんの体内でカテーテルを操作する際に放射線による透視画像というものを確認しながら手技を行っています。その透視画像を撮影する透視装置の操作をしているのが放射線技師です。装置を照射する方向や位置を医師の指示に従って操作し、手技を妨げない迅速で的確なサポートが必要とされます。
また、TAVIを行う前に患者さんはTAVI手術前CT撮影という特別な検査をしています。その撮影も放射線のエキスパートである放射線技師の中でも限られた者が行っています。この検査無しではTAVIは行うことはまず不可能で、手術前からとても大きな役割を担っています。
当センターTAVI手術前CT検査→https://tokyobay-mc.jp/heartcenter_blog/web02_12/

臨床工学技士の役割
次に臨床工学技士の役割です。臨床工学技士は手術中患者さんの状態が急変することもあるため患者さんの循環をサポートするための補助循環装置(IABP、PCPS等)や人工心肺の準備、操作管理等を行っています。刻々と変化する患者さんの状態に注意し、1歩でも早く動けるように対応しています。その他にも治療に必要な物品を術野に出したり、弁を留置する際に必要となるデリバリーシース(留置弁を心臓まで運ぶための管)に留置弁をセットする等のデバイスの準備を行ったりします。特にデリバリーシースのセッティングは非常に重要です。正確にセッティングが行われていないと、いざ留置という時に人工弁を適切に留置できない可能性があるからです。
私たち臨床工学技士はTAVI治療がスムーズに進行するよう、素早くそれでいて正確な準備を心がけています。
このように医師や看護師だけでなく、医療技術者も手術が行われている中で様々な役割を担い、お互いをサポートしあいながら手術に臨んでいます。
みなさま、どうぞご安心ください。磨き上げた技術と不撓不屈の精神を併せ持つ各職種のエキスパート達にお任せ下さい。
我々東京ベイハートチームは、これからも一人一人の患者さんに最善の医療を提供できるよう、チーム一丸となって治療に邁進します。
