こんにちは、ICU看護師です。インフルエンザも増え始め、東京ベイにも本格的な冬がやってきました。
寒い時期にかけて増える急性心筋梗塞や大動脈解離などの心臓や血管の疾患はある日突然ということがあります。また大動脈弁狭窄症などの弁疾患は、季節はあまり関係ありませんが、「最近息切れがするな…」と感じていたら、ある日突然息が苦しくなり動けなくなって救急車で運ばれる、という患者さんもいらっしゃいます。
そうしたもしもの時を考えたり普段から話し合ったりしている方はごくわずかであることが現状です。気が付いたら、ICUのベッドの上…という患者さんがほとんどです。
誰にでも急病の可能性はあります。一つしかない自分の体にもっと向き合いましょう〜自分の生き方について少し考えてみませんか?
そうなった際、東京ベイハートチームには、様々な最先端の治療技術を日々取得する医師が在籍しており、治療の選択肢がとても幅広いという大きなメリットがあります。しかし、選択肢が多いからこそ、本当にその人にあった治療・ケアを適切に選択する必要があります。
そのため、東京ベイハートチームでは、治療方針やケアを考える際に、患者さんが「今不安なこと、心配なこと」「どんな気持ちで治療に望むのか」「どんな目標を持っているのか」「どんな人生を歩んできたのか」「こんな治療だけは嫌…」など、患者さんとお話しできる状態であれば患者さんとお話をします。お話しできる状態でなければ、ご家族からお話を聞き、「患者さんだったらこう考えるのではないか」と一緒に患者さんの意思を考え治療・ケアの選択をしていきます。
しかしながら、患者さんに代わって治療の選択をすることは、ご家族はもちろん医療チームでもとても悩み、「何が最良なのか」日々苦慮しています。東京ベイハートチームでは、毎朝必ず患者さんのベッドサイドで患者さんの様子を実際に見ながら回診を行い「最善の治療・ケア」を話し合っています。必要に応じて朝の回診以外にも時間を設けて多職種カンファレンスを開き、ご家族と医療チームで「最良の治療・ケアは何か」、話し合いを重ね、患者さんとそのご家族が最良の人生選択ができるような支援を日々心がけています。
万が一病気になって当センターに入院された際は、患者さんとそのご家族が自分らしい人生を送るための治療・ケアなどの選択ができるよう、私たちハートチームが心身ともに全力でサポートします!
当センター心臓外科の先生方はOPEのスピードが速いだけでなく、術後の患者さんやご家族のお話を聞き、ケアにも気をつかっています。また、術後管理では看護師、コメディカルの意見も聞いてチーム医療を心掛けてくれています。
急性期患者さんへの日々変化する状態を見逃さず、加えて患者さんのご家族に対するメンタルケアもしっかり行ってくれる看護的観点。そして豊富な薬剤知識や治療方針への的確な意見を聞かせてもらえる医学的知識を持ち合わせているのでとても心強いです。
ICUハートチームは個々の能力を過信することなくお互いの意見を尊重し合い、吟味することで患者さんへ最適な医療を提供できるようなチーム医療を目指しています。