経皮的腎動脈形成術

腎動脈の狭窄を解除する治療法は、現在では侵襲の少ないカテーテルによる風船治療やステント留置術が主流になっています。しかし、腎動脈の狭窄が高度であってもすべての患者さんが治療を必要とするわけではありません。1)腎血管性高血圧、2)腎機能障害、3)心不全の急激な悪化、4) 狭心症などの条件を満たす方に限って治療を行っています。

1.腎動脈造影

左腎動脈の入り口に狭窄病変を認めます。

2.ステント留置

狭窄している腎動脈にワイヤーを通過させたのち、狭窄病変部を風船で広げた後にステントを留置します。

3.治療後の造影

狭窄部分は解除され、良好な血流が確認できました。

腎動脈の狭窄は、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などに比べて特徴的な症状がないため、自分で気づくのが難しい病気です。しかし、治りにくい高血圧症や原因不明の心不全がある場合には腎動脈狭窄症を疑う必要があります。また狭心症や心筋梗塞、下肢動脈に狭窄・閉塞病変がある方は腎動脈狭窄症を合併している可能性があります。早期発見のために動脈硬化症ハイリスク群の方は、念のために一度は検査を受けたほうがよいかもしれません。
(文責:奥村弘史)

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