小児の心房中隔欠損症に対するMICS(ミックス)手術

当ハートセンターでは、胸骨を温存する低侵襲心臓手術(MICS、ミックス手術)やステントグラフト治療など低侵襲治療に力をいれております。

このたび、MICS手術を求めて当センターに来られる小児患者さんが多いことを考慮して、小児科と連携して「小児の心房中隔欠損症に対する低侵襲手術プログラム」を開始いたしました。

MICSによるASD手術

右小開胸アプローチや下部胸骨部分切開で行うASD閉鎖手術です。通常の胸骨正中切開に比べて、胸骨を全部または一部温存するため、術後の胸骨安定性に優れ早期退院・早期日常復帰を実現します。当センターでは右胸部に3-5cmの創を置く、完全内視鏡下手術を基本としています。この手術は創が目立たず美容的にも優れています。しかし、欠点もあるためエキスパートによる慎重な患者選択が重要です。詳細はMICS(ミックス)のページをご覧ください。

小児患者のMICS適応

原則として、(1)二次口欠損タイプ (2)中学生以上 (3)身長140cm以上、体重40kg以上に限らせていただきます。血管サイズが極端に小さい場合や他の先天性疾患・血管奇形を伴う場合は、適応とならない場合があります。詳細はご相談ください。

東京ベイ・浦安市川医療センター

心臓血管外科 田端 実 (心臓血管外科専門医、心臓血管外科専門医修練指導者)
小児科部長 畠井 芳穂(小児科専門医、小児循環器専門医、小児循環器暫定指導医)

田端 実(たばた みのる)
1999年東京大学医学部卒業。新東京病院、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(ハーバード大学の教育病院)やコロンビア大学病院、OLVクリニック(ベルギー)で心臓外科トレーニングを受け、2009年から榊原記念病院のスタッフ心臓外科医。2013年9月より現職。慶應義塾大学、東京慈恵会医科大学、杏林大学の非常勤講師を兼任。


畠井 芳穂(はたい よしほ)
1984年東京医科歯科大学医学部卒業。都立豊島病院や国立王子病院などで研修後、トロント小児病院循環器科リサーチフェロー。榊原記念病院小児科部長(循環器専門)、東京北社会保険病院副院長を経て、2012年4月より現職。東京医科歯科大学の臨床教授を兼務。
(文責:田端実、畠井芳穂)

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