はじめての外来診療でも大丈夫!~安心のフィードバック体制~

東京ベイの総合内科レジデントは、週1回の内科外来研修があり、午前中は初診の患者さん、午後は予約患者さんの診察をします。初診では、①感冒や胃腸炎などの軽症例、②救急外来受診後のフォローアップ症例、③開業医の先生からの精査・加療依頼の紹介例、④健康診断やがん検診異常の二次精査症例など、さまざまな重症度の患者さんを診ています。再診では、①退院直後のフォローアップ症例、②生活習慣病などの慢性疾患症例、③初診で担当し経過観察が必要な症例など、それぞれの症例で異なったアセスメント・マネジメントが必要とされます。

初期研修では一般外来の経験がほとんどなかったレジデントが多いので、皆最初は戸惑い、緊張、不安、焦りetc…が入り混じりながら診察室に入ります。
でも、大丈夫!東京ベイには、歴代の先輩医師が作成・アップデートしてきた『内科外来マニュアル』がありますし、内科外来にはベテランの看護師さん、医療クラークさんがいて、患者さんのトリアージや、検査の説明、書類業務などのサポートをしてくれます。なにより、隣の診察室には先輩レジデント(医師4年目・5年目)や内科フェロー、呼吸器内科や消化器内科の医師がおり、困ったときにはいつでも快く相談に乗ってくださいます。もちろん、他の診療科にも院内PHSで気軽にコンサルテーションできる環境です。

その中でも、3年目レジデントの“外来研修の肝”となるのが、再診外来終了後の『症例振り返り』です。今回はその外来振り返りについてご紹介しようと思います。

Case 1 ~入院適応の判断基準とは?~

指導医
外来お疲れ、今日は患者さんいっぱいで大変やったな
レジデント
お疲れ様です。外来振り返りお願いします
指導医
いいよ、どんな症例で困ったかな?
レジデント
まずAさんですが、閉塞性黄疸で紹介受診となった方で、造影CTを撮影した後に消化器内科に相談したら、胆管癌が疑われて入院になりました。自分としては、すごく全身状態が安定しているし、今日緊急入院にしたほうがよいのか迷ってしまって……
指導医
なるほど、先生の言う通り、この方はバイタルサインが安定しているし、今すぐに内視鏡での緊急ドレナージが必要な状態ではないかもしれないね。ただ、胆道閉塞がありそうな人はやっぱり胆管炎のリスクが高いから、基本的には入院で精査が必要やな
レジデント
そうなんですね、わかりました

Case 2 ~知らなかった長期的なマネジメントの必要性~

レジデント
Cさんは、憩室炎で外来フォローしていた方なんですが、すっかりよくなったので今日で終診にしました
指導医
それはよかったね。あ、先生、この方に内視鏡検査は勧めた?
レジデント
え?CT検査で憩室炎って診断がついて、抗菌薬でよくなったし……内視鏡検査って必要なんですか?
指導医
もちろん今すぐする必要はないけど、憩室炎は今後も繰り返すし、時々悪性腫瘍を合併することもあるから、内視鏡検査も検討したほうがよかったね。UpToDateにも書いてあるからまた読んでみて。あと、患者さんに憩室炎という疾患がどんな病気なのかを説明することも大事やね
レジデント
そうなんですね。わかりました。後で電話してお話ししておきます

こんな感じで和気あいあいと復習しています。

症例振り返りの良いところ

  1. レジデントが悩んだり迷ったりした点について、知識と経験をもとに教えてくれる
  2. 疑問の解決方法を教えてくれる
  3. レジデントの気づいていなかった、マネジメントすべきポイントを教えてくれる

外来患者さんの数が多い日には、お昼ごはんを食べる間もなくあっという間に17時……ということもありますが、このような振り返りがあって、理解を深めたり、見落としを防いだりできているのだと思います。今後、自分が上級医になっていくにあたり、“先輩医師のようにちゃんとできるようになるだろうか”という不安はゼロではありませんが、“東京ベイ総合内科での研修を続けていればきっとできるはず!”と自分に言い聞かせつつ、気を引き締めてがんばりたいと思います。

◆ 東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科

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