「リーダーとはなんぞや……?」~理想のリーダーを目指す新米チームリーダーの苦悩と奮闘~

こんにちは。総合内科医師4年目の岩田 太志と申します。10月から初めてのチームリーダーとなり日々奮闘中の私から、今回は、チームリーダーという存在にフォーカスして、総合内科のチーム診療についてご紹介しようと思います。(総合内科のレジデント達がどんな一日を過ごしているかは、過去の記事をご覧ください。)

皆さん、「総合内科」という言葉にピンと来るでしょうか?東京ベイの総合内科は、入院する内科系患者を担当とし、その範囲は一般内科に加え、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、腎臓内科、感染症内科、膠原病内科と多岐に渡ります。

内科系患者は総合内科チームが主治医となり、加えて上記専門科の医師がチームに加って適宜相談しながら診療にあたります。
これは日本ではまだあまり一般的ではないスタイルですが、米国では“Hospitalist”と呼ばれ一般的になっています。様々な科をまたいで、一つの臓器だけではなく、総合的に「その人を診る」というのが総合内科の役割だと私は思っています。

さて、我々東京ベイの総合内科は1チーム3-4人で構成され、合計7チームが存在します。各チームに指導医がおり、悩んだり困ったりしたときはいつでも相談できる体制です。ただし、各チームの患者さんの診療方針の舵を握るのは、基本的にチームリーダー!チームメンバーであるシニア・ジュニアレジデントは、患者の担当医として病歴聴取や診察などを通して情報を収集し、プロブレム毎にアセスメントをします。朝のチーム回診や夕方のチームまとめの際、あるいは問題が発生したその都度、チームリーダーに報告します。チームリーダーはメンバーのアセスメントを評価し、「よし、じゃそれでいこう!」とGOサインを出したり、「ちょっと待って、〇〇はちゃんとチェックした?」と漏れのないよう適宜修正したりします。

私は東京ベイで初期研修をしていたので、合計4年間担当医として病棟を駆け回っていたわけですが、10月から初めてチームリーダーを務めるにあたり、「リーダーとはなんぞや……」と日々悩みながら、悪戦苦闘しています。リーダーシップ論を説く本は巷に山ほどありますが、正直なところどうするのが“正解”なのか……そんな風に悩んでいるのは、この記事を読んでくださっている皆さんも同じなのではないでしょうか。そんな時、最も参考になるのはやはり、自分を育ててくれたリーダーの姿だなぁと痛感しています。

これまでを振り返ると、私は常に良きリーダーに恵まれたと思います。患者さんへの接し方や専門科の先生とのコミュニケーションの取り方など、その背中を見て自分自身の至らなかった点を学んだことも多いです。困ったときや不安なシチュエーションではいつも後ろにいて、安心感を与えてくれました。そして、自分が燃え尽き症候群になりそうな時は、重荷になっているタスクをそっと肩代わりしてくれました。

「カルテの前じゃなくて患者さんの前に行きなさい」
「責任は取るから、やってみよう」
「あとはやっておくから、早く帰って休んで」

このような何気ない一言で救われたことは数知れず、私にとってリーダーとは、静かに正しい道へと手を引き導いてくれる存在でした。
そんな私がついにリーダーだ!と意気込んでいたものの、いざ始まってみると上手くいかないことばかり……。自分を育ててくれたリーダーの様に、チームメンバーを正しい道に導けているのだろうかと不安に駆られることもありますが、これからはリーダーとしてのスキルを身につけ、成長していかなければいけません。

(※写真の説明 我々岩田チーム(というか岩田)が最近ハマっている、病院の近くにある「ナカセンナリ豆花」とお店のタピオカミルクティーを飲みながらまとめをしています。)

今回は東京ベイ総合内科、新米チームリーダーの苦悩と奮闘をご紹介しました。少しでも皆様が身近に感じてくだされば幸いです。

総合内科 岩田 太志

◆ 東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科

メニュー