他部門とのカンファランス

1)総合内科診療と他部門とのコラボレーション

東京ベイ総合内科は後期研修医20人強、指導医10人弱を有する東京ベイで最も大きな母体を有する科です。さらに初期研修医や他院・他科からのローテーターを含めるとさらに大きな団体となります。また、非常にモチベーションの高い医師の集まりのため毎日のカンファランスは非常に盛り上がり、若い医師たちはお互いを刺激し合います。また経験豊富な指導医からのフィードバックも多くあり、参加するだけでも自らの臨床力は磨かれることとなります。量、質ともに充実した医師の集まりにより「知識のシャワー」、「多くのクリニカルパール(患者さんを診るときの重要なポイント)」が毎日享受できる贅沢な環境です。

しかし、大きな母体というのは時に排他的になりやすい性質を私たちは理解しています。特に総合内科という科は他科の先生とコラボレーションする能力が非常に重要です。個人的には最も大事な能力ではないかと思っています。総合内科というのは「ただいろんな病気を診る科」ではなく「いろんな病気や事情、環境を抱えた患者さんという”人”を診る科」だからです。そのためには専門科の先生のご意見を聞き「最高技術の医療」を提供する姿勢を維持しながら、その患者さん一人一人にあった治療方針かどうかを「主治医」として吟味する応用力が試されるわけです。さて、少し熱くなってしまいましたがこの様な事情で専門科の先生と考え方を共有したり、うまくいったこと・いかなかったことを反省するために他科合同カンファランスを実施しています。

2)東京ベイ総合内科の他科合同カンファランス

前述の通り、月に一回外科内科合同カンファ、救急科内科合同カンファを行うようにしています。月に一回のカンファレンスなので周到に準備されており、参加者が内科だけでなく普段の顔ぶれと異なることで独特な良い緊張感を孕みながらカンファランスは進んでいきます。

まずは症例が提示され、主訴、現病歴・・・とすすみ、研修医の先生にプレゼンターから質問があり、途中研修医の先生から経過についての質問があり、と次第に活発なディスカッションが沸き起こります。
テーマはたとえば、「膵癌の周術期の血糖コントロールに難渋する場合、血糖コントロールの方法は?血糖コントロールの目標は?」、「膵頭部癌による胆管閉塞に術前に胆道ドレナージを行うべきか?」「大腸閉塞で緊急性の高い患者とは?手術適応とは?」、「頻脈の初期アセスメントは?甲状腺機能亢進症をみたら」、「ERで腰痛を訴える患者のまず除外すべき緊急性の高い疾患とは?当センターでの実際の対応は?」など非常に臨床的な内容となっております。
最後に各科の指導医から猛烈なフィードバックがあり、また相互の科で意見が交わされ、全員の頭の中が研ぎ澄まされていきます。また、全員で考えることで相互の科の「コラボ力」が高まり、より円滑で質の高い医療を患者さんに提供することにつながっています。

3)他科合同カンファランスを通じた学び

私自身、合同カンファランスは毎回勉強になりますし、もっと勉強したいというモチベーションに繋がります。例えば、大腸閉塞の患者さんを外科の先生にコンサルトした場合、後はおまかせで終わってしまいがちです。しかし、どういった思考回路で外科の先生が緊急性を判断しているか、外科的介入のタイミングを判断しているかは直接外科の先生に聞いてみるのが一番なんですね。実際、内科医としては漠然と手術適応であると考える症例でも、外科の先生は手術のリスク、術後合併症のリスクなどまで考えながら適切な手術のタイミングを見極めています。そういった思考過程を共有することで、次に同様の症例に出会った時に私達もより適切な対応、適切なコンサルトができるようになります。右も左もわからない状態で入職しましたが、本当にこういったカンファランスを通じていろんな先生方に育ててもらったと思います。今回の記事が当センターで研修を迷われている先生方の参考になれば幸いです。是非、東京ベイで一緒に切磋琢磨しましょう!

4)「そうだ、東京ベイ総合内科へ行こう!」見学受付中

(お申し込みはこちら:【専攻医(後期研修医)希望者】病院見学)

◆ 東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科

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